焚き火の魅力に取り憑かれし者

とうとうキャンプデビューの日がやってきました。

まずはなんと言っても、荷物の問題。

私と妹、それぞれ車持ちだが、2人とも日産マーチ小型乗用車乗りだったので、車2台で行く覚悟をしていました。

私「これ、絶対無理だね。乗りやすいから今までマーチでいいやって思っていたけど、次回車買う時は荷物沢山積める車買うわ」←何年先の話だよ。

妹「何言ってるの。積めるよ。絶対積めるってば。見ていてよ」

私「無理だってば、この荷物の体積だよ」

妹「大丈夫だっていけるよ」

私「寝言は寝てから言え！」

妹「ほらぁ〜。出来た。クリア！」

私「😲（ポカ〜ン）」

知らなかった。

妹に、こんな立体テトリス能力があったなんて。

後部座席も荷物がびっちり。

ファミリーキャンプって、本当に荷物が多くなるのね。

チビッコの足元まで荷物ぎっしり。

一同、黒松内の歌才キャンプ場ル・ピックを目指して出発。

気になるのが空模様。

夜から雨の予報なのです。

初めてのキャンプで雨なので、正直自信が無く、キャンプ場に電話をして相談してみると

バンガローに予約変更も出来ると丁寧に対応して下さいました。

長万部で寄り道。

立ち寄ったお店にあった看板。

いいな。この看板。

私の会社の事務所の玄関に飾りたい。

書類をめくる時に指先を舐めて、唾をつける上司のデスクの前にも飾りたい。

道の駅に寄り、ピザを買ったりしていたら、キャンプ場に着いたのは午後2時過ぎでした。

受付の方に聞いてみました。

雨だけど、予報の程度の雨と風で私達が持ってきた装備で大丈夫か。

やはりというか、持ってきたペグがどんな物か、長さを尋ねられました。

テントやタープを買った時に付属しているロープやペグは使い物にならないと聞いていたので

ロープは5ミリ太のパラコード、ペグは30センチのスチールペグを別途購入して持っていきましたが、

後にこの選択が本当に良かったと、身を持って知りました。

スクリーンタープではなく、普通のタープなら、風が出てきたら夜は畳む事を勧められました。

最後までバンガローにしようか迷ったのですが、

せっかくテントを持って来たのだから、張ってみたいと思い、予定通りオートサイトでのキャンプをする事にしました。

どんなレイアウトでタープとテントを立てて良いか全く分からず、

購入したテントの完成写真すら見た事が無い妹がテントがかなり大きいと予想したみたいで

斜めに張らないとサイトからはみ出るのでは？と思い、何となく斜めに張り

これが正解なのか、不正解なのか。

もっと動線がスムーズになるレイアウトがあったのかもしれないけど、

それすら分からない2人がせっせと

設営しました。

私「そこのペグ取って！」

妹「ペグって何？」

私「そこの袋に入ってる、上に引っ掛け付いてる、でっかい釘みたいな棒」

妹「棒ね。オーケー」

私「カラビナ付いてる方のロープ取って」

妹「カビラナって何？

あぁ。引っ掛かる輪っか付いているヤツ？

ねぇ、テント２つ張るの？なんか2枚あるよ」

私「インナーテント立てて、その上にフライシートをかけて前室のあるツールームテントなんだよ」

妹「ツールーム？」

私「何て説明していいか分からないから、まずはテント立ててみよう」

お互い要領を得ずにチグハグな会話を繰り広げながら一生懸命、設営しました。

テーブルと椅子を出した頃には

1時間半経過してました。

その間、チビッコは隣の空いているサイトで1人、踊っていました。

設営を終えてホッと一息、ロールケーキタイム。

鳥の囀りを聞きながら休憩。

このキャンプ場はネットのレビューでも書いてあったように、本当に静かで落ち着いた感じのキャンプ場でした。

テントを張ってキャンプしている人は沢山居るのですが、皆10メール以上も離れていて、

キャンプ場内を散歩していても姿は目にしても

人とすれ違う事もほとんどなく、

トイレに数回行きましたが、人と出会う事もなく、

コロナ禍の世で密にならず良い感じ。

木立が風に揺れる音と鳥の声だけが聞こえるだけ、

むしろ私達３人がその静寂を壊している気さえします。

それくらい、静かなキャンプ場でした。

晩御飯はパエリア。
パエリアの素を入れてメスティンで御飯を炊き
炒めたエビを後入れ。

小さなバーベキューコンロで小さく焼肉。

コロッケや、チビッコ用に

鬼滅の刃のキャラクターイラストがプリントされた串刺しウィンナーを焼く。

しかし、このウィンナーは焼くと焦げでキャラクターのイラストが

全然見えなくなってしまうという残念な代物だった。

炭治郎のプリントが焦げて炭に塗れる始末。

味は普通のウィンナー。

そして、私はやってみたかった薪割りに挑戦。

斧は難しそうだったので、腕力が無くても出来る、

鉈とゴムハンマーを使っての小割りの薪作りをやってみました。

キャンプ場で売っていた太い薪とホームセンターで買ってあらかじめ持ってきた柔らかめの角材的な薪を割ってみました。

非常に割りやすい薪と、どんなに頑張っても割れなかった薪があり、繊維の方向とか

色々理由があるのだと思いますが、

ただ単に腕力の問題かもしれません。

10分で飽きました。

キャンパーへの道は遠いと思いました。

薪を割ったら、焚き火にも挑戦しようとしましたが、麻紐を解した物で着火を試みましたが全然火がつかず、

妹が背後から近づき、

「燃えぬなら、燃やしてしまえ、ほれ！着火剤！ベスター投下！！ファイヤー！」

私達にはファイヤースターターという道具とは一生無縁なタイプの人間だと思いました。

ベスターとチャッカマンの力を借りて薪は良い感じに燃え始めたところで

妹が焚き火にハマってしまったようで、

「焚き火って、こんなに楽しかったっけ。

なんか、心が落ち着くなぁ」

などと、1人自分の世界に浸り出したので、

私は黙々と焼肉を頬張りました。

妹がまだ、焚き火に浸っていたので

他のキャンパーさん達が、どんなテントでどんなレイアウトで設営しているのか見てみたくて、

チビッコと一緒にキャンプ場内を散歩。

熟練キャンパーさんが多いのか、皆さん凄く素敵な格好良い感じてテントを張っているなぁ…

…などと思っていたら、

チビッコが言いました。

「ねーねー。僕達は何回キャンプに来たら、ああいう高級住宅に泊まれるの？」

高級住宅？

チビッコが羨ましそうに見る先にはコールマンのタフスクリーンドームや

スノーピークのランドドックなどの大きくて格好良いテントの周りに

お洒落なギアがズラリと並んだサイトでした。

「そうだね。私達は初心者だから、何回もキャンプして、テント張るの上手になって

ボーナスが出たら、ああいう格好良いテント買えるかな

あと、大きなテント張るのは男手があるといいから、◯◯ちゃんが、早く大きくなってくれると

ママ達は助かるかな？」

チビッコは母子家庭。

しんみりとそんな会話をしていると小雨が降ってきました。

ちなみに今晩私達が泊まるのは1万5000円位の中華製のブランドもよく分からない謎のテントです。

小雨はやがて、本降りの雨になりました。

急いでタープを畳み、テーブルと椅子のセットを仕舞いました。

前室から張り出したキャノピーの下でサイドテーブルにカセットコンロを置き、お湯を沸かし、

前室でお茶を飲みくつろいでいると、
雨はさらに降ってきて、風が出てきました。

なんか、思っていたより天気が悪くなってきてる。

テントの中ではチビッコは既に爆睡。

私達も寝ようと準備をしていたら、ある事に気付きました。

耳栓を持ってくるの忘れた(;ﾟДﾟi|!)

私は眠りが浅いので少しの物音にも目が覚めてしまう体質だったので、

ここからが大変でした。

テントに打ちつける雨音と風でテントが軋む音と

妹のイビキと30分に一回の割合で呟き出すチビッコの寝言の四重奏。

だーーーー！！！

すげー迷惑なクァルテット！！

まさか、キャンプに来て、これ程までに眠れなくて困るとは。

キャンプの夜は寒いと寝れないよ。

…と聞いたので防寒対策はちゃんとしてきたし。

外は15度位の気温でテント内の気温は20度で快適なのに。

雨、風、イビキ、寝言で寝れないとは…

夜中トイレに起きたついでに、テントが非常に心配だったので、

点検して見てみたら、しっかり張られたロープとペグのお陰でポールが折れる事も無く、

強めの風が吹いても全然平気でした。

もう少し高いテントを買うべきだったかと後悔しましたが、

ロープとペグを別途買い直したのは良かったと思いました。

ロープとペグ大事☺️

朝になっても雨と風は止まず、ますます強くなってきましたが、前室を少し開けて、

換気をしながらコンロでホットサンドを焼き、朝ご飯。

ウェザーニュースを見ながら、少し雨足が弱まった隙を見計らって

撤収しました。

風のなかで雨に濡れたテントをゴミ袋に入れる作業もなかなか大変でした。

帰りに長万部で蟹飯を買いました。

家に帰り蟹飯を食べながら反省会。

暗くなる前に夕飯を済ませた方が、もっとのんびりできたとか、

洗った後の食器を入れるカゴがあった方がいいとか。

次はどこのキャンプ場に行くとか。

あと、耳栓は絶対忘れてはいけないとか。

色々ありましたが、

一生懸命テントを立てて、焚き火をし、

一生懸命キャンプ飯を食べ

一生懸命他のキャンパーさんの設営を見て学び

一生懸命楽しんだ初キャンプでした。

もっと、写真を沢山撮りたかったのですが、

写真を撮る心の余裕もなかった気がします。

次回はもう少し、ゆったりとした気分でキャンプしたいですね。