海を渡る

しまなみ海道でキャンプした後は、しばらく松山で滞在。
その後フェリーで大分へ。

金曜日には志高湖キャンプ場にチェックイン。
由布岳を望む湖には白鳥が泳ぐ。

平日で空いた場内をゆっくりと見て回る。
芝生がきれいな丘の上にテントをたてた。

土曜には雨が降ると言う。
ここなら水はけも悪くないだろうし、何より抜群に雰囲気がいい。
タープは広く張ったから、雨でも家族3人で十分に過ごせる。
転んでも痛くない、広々とした場所。よちよちと歩き始めて間もない子どもも楽しそう。

九州では来週には桜が花をつけると聞いたけど、冬のような寒さが戻ってきたらしい。夜は焚火をしても震えるように寒い。

朝、相変わらずの寒さ。
子どもが外へ出たがるのでしばらく遊ばせていたものの、この寒さはまずいかもと買出しを兼ねて街へ。

戻って来ると、テントが増えている。
大分で開催するDayOut Dayには、参加者がいないかも知れないと思っていた。それでも九州でやってみたかった。
このキャンプ場に来てみたかったし、会いたい人もいた。

予想よりも多い3組が参加してくれた。
自分を合わせて4組、みんなスタイルが見事にバラバラ。ソロもデュオもファミリーも。初心者もベテランも。

みんな違うことが、とてもうれしい。

テナーウクレレが鳴っている。
妻が子どもを抱いて湖を眺めている。
コーヒーを淹れて隣のテントで少し話をする。

… なんて完璧な時間なんだろう。

夜は雨予報。
一番大きなテントにお邪魔することにした。
今日も燻製を仕込む。

美味しい料理、心地よい音楽、尽きない話。

「キャンプには料理人と音楽家が必要だと思うんですよ」

どこかの海賊みたいだなと思ったけど、その言葉には説得力があった。なぜなら今、とても楽しい。

大人も子どもも、みんなが楽しそうにしてる。
その輪の中にいると、人生が豊かになった気がする。
大げさ過ぎるかも知れないけど、そう感じた。

夜も更けて、雨はまだ降らない。
テントの外へ出て焚火を囲む。

焚火で焼き物をしたり、薪を削って遊んだり。

ぽつぽつと雨が降るまで、焚火を囲んで色んな話をした。キャンプのことも、キャンプじゃないことも。

翌朝、湖面に由布岳が映える。美しい日。

子どもと一緒にアヒルや白鳥を見る。

サイトへ訪れた白鳥。大きい。

しばらくして白鳥が帰っていく。
さあ、片付けて帰ろう。帰り道は長いけど、いっぱいの土産話をしながらならあっという間だろう。

また訪れたい場所と、また会いたい人たちに別れを告げた。

「またキャンプしましょう」