ちょっとしたメンテナンス講座③
dayouterのみなさんこんばんは。
ちょっとしたメンテナンス講座も3回目になりました。
②ではランタンが点灯する仕組みと加圧系のトラブルについて解説しました。
まだお読みではない方はもしよかったら前回の【付録】と併せて読んでみて下さい。
文章だけだと分かりづらいと思うので、なるべく画像を多く使って分かりやすいように解説しているつもりです🤔
さて、3回目は以前にも軽く解説したのですがフューエルエアチューブ(fuel air tube・F/Aチューブ)についてもう少し詳しく、分かりやすく解説していこうと思います。
というのも、この部分に関してはビンテージランタンは比較的よくトラブルが起きます。
ケロシンランタンは構造上あまり関係ないのですが、200Aや635などのホワイトガソリンランタンでは注意が必要です。
それにもかかわらず、中古でメンテナンス済みといって販売されているランタンの多くは、F/Aチューブについて何も書かれていないことが多々あります。
そしてこのF/Aチューブが引き起こすトラブルは他のトラブルの症状と似ているため勘違いしがちです。
この部分のトラブルはご自身で修理すれば1000円程度ですが、業者に依頼するとかなり高額になりますので、是非DIY出来るようになりましょう😊
まずF/Aチューブってどれなの?って方のために。
上の写真は赤い矢印、下の写真は赤い◯で囲ったパーツです。
その名前の通り、フューエル(燃料)とエアー(空気)を取り込む為のパーツです。
このパーツはバルブボディの下側に付いていて普段はタンク内に入っているので、バルブassyを外さないと見ることは出来ません。
パーツ構成は
・チューブ(外筒)
・ロッド(細い針金)
・スプリング
の3点です。
この画像は以前にも使いましたが、分かりやすいので再度使います。
基本の構造としては
・下の穴から燃料を取り込みます。
・上の穴からは空気を取り込みます
・ロッドは燃料バルブと連動して下の穴を開閉します。
上の画像はバルブONの状態。
下の穴が開いているのが分かりますでしょうか?
下の画像はバルブOFFの状態。
下の穴は閉じられています。
このON/OFFをバルブの開閉と連動してコントロールしているのがスプリングです。
スプリングがダメになると、常に下の画像のように穴が閉じられたままになります。
そうするとバルブを全開にしても燃料が供給されません。
ちなみにバルブとスプリングの関係は上の画像です。
これは少し分かりにくいですが、矢印の部分(泡のような◯が8個)がスプリングです。
バルブが閉じているとバルブステムの先端部分にロッドの頭が押され、ロッドが下に下がります。
→ロッドがチューブの下の穴を塞ぎます。
バルブを少し開けるとスプリングの張力でロッドが上昇します。
→少しだけ燃料が流れます。
バルブを全開にするとスプリングの張力で限界までロッドが上昇します。
→チューブの下の穴が完全に解放されます。
このランタンは228というダブルマントルのランタンです。
200Aなどとは少し構造が異なりますが、バルブステムとロッド・スプリングの構造は共通ですので参考にして下さい。
矢印の部分がスプリングです。
今はバルブステムに押されて、スプリングは縮んでいます。
つまりロッドは押し下げられている状態、下の穴は塞がれています。
ここまでの解説でF/Aチューブの仕組みはご理解いただけたかと思います。
少ないパーツと簡単な構造ですが、とてもよく考えられてますよね🤔
と、ある程度ご理解いただいたところで、ここからはF/Aチューブのトラブルについて解説します。
まず初めに、ケロシンランタンはチューブのみでロッドやスプリングはありません。
ただの筒がバルブボディに付いてるだけです。
従ってこれから解説するトラブルにはほぼ当てはまりません。
F/Aチューブのトラブルといっても9割以上がスプリングです。
このスプリングが劣化して縮み切ったままになってしまい、バルブを開けてもロッドが下の穴を塞いだままになるというトラブルです。
この場合に厄介なのが、最初の数秒間は点火できてしまうということです。
その後徐々に燃料が足りなくなって火が消えます。
しかしエアーの出る音は続きます。
大抵の場合、この症状を見ると『ジェネレーターがだめなのかな?』と勘違いします。
何度やっても最初だけ点火するので、燃料は途中まで供給されていると勘違いしてしまうんですよね。
この理由としては、ホワイトガソリンはタンク内でも気化している為、最初は気化したガスが出ます。
これは上部の空気取り入れ口から出るので、下の穴が塞がってても関係ないのです。
そして、下の穴もニードルで塞ぐだけですので完全に塞がっているわけではありません。
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さて、本題に戻って。
そのようなトラブルの場合はバルブassyを取り外して、F/Aチューブのスプリングを交換すればいいだけです。
スプリングはネットで手に入りますし、数百円です。
むしろ中古で買って、ご自身でメンテナンスをしてから使う場合はあらかじめ交換した方が無難です。
その際にチューブの中をパーツクリーナーなどでよく洗浄すると尚良いです。
その他にF/Aチューブのトラブルといえば、内部の詰まりがあります。
これは滅多にありませんが、タンク内のサビやゴミ、長期間放置されて溜まったヘドロのようなものが内部に詰まります。
これは下の穴を塞ぐ場合と、F/Aチューブが全体的に詰まる場合があります。
症状としては下の穴が塞がった場合はスプリングの不具合と同じですが、チューブが全体的に詰まるとバルブを開けても燃料・空気共に出てきません。
もしくはちょっとだけ出ます。
これらの場合も基本的には分解して洗浄すれば直ります。
ただ、F/Aチューブは真鍮で出来ているため放置してると青サビが発生しますので、サビが酷い場合は洗浄ではなくサビ取りが必要になります。
F/Aチューブのトラブルはほとんどが上記の内容です。
しかしF/Aチューブの存在や仕組みを知らないと対処できないので、少し厄介なんですよね😭
今日これを読んだ皆様は、ここまで説明した不具合が発生した場合もスムーズに対処できると思います。
加圧出来てるのに燃焼に不具合がある場合はジェネレーターかF/Aチューブが原因である可能性が高いです。
ジェネレーター交換してもダメな場合は、面倒でも1度F/Aチューブを調べて見てください👆🏻
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さて、③回目はいかがだったでしょうか?
私はランタンをいじり始めた頃にこのトラブルに見舞われてえらく苦労した思い出があります。
知識がないとなかなかこの原因にたどり着かないんですよね。
メンテナンス講座で解説しようと思っていた内容は今回で最後になります。
その他のメンテナンス方法やトラブルの対処法はネットで簡単に見つかると思います。
もし何かリクエストや解説して欲しいネタがありましたら、コメント欄に書いて頂ければとおもいます。
最後までありがとうございました😊
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お花屋さん
長文お疲れさまでした。 またたいへん参考になりました。 やはり自分のギアは自分でメンテして、長〜く使いたいと思います。 ありがとうございました
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ズィー☆
ありがとうございました!! 永久保存版にします。 今まで何となくバラして掃除して組み立てるだけでしたが、 これから考えながらメンテナンスできそうです☆
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トム
ウチのランタンは今のところ調子いいです。 不具合出て来たらあちこちチェックしてみます🤗