「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の1枚目の写真
03
2018

ちょっとしたメンテナンス講座②

[ランタン] Coleman

前回に引き続きちょっとしたメンテナンス講座のコーナーです。

まずはランタンが点灯する仕組みについて簡単に説明していこうかと思います。

ちなみにここで解説するランタンは全て液燃ランタンです。
画像に出てくるランタンはホワイトガソリンランタンがメインとなりますが、ケロシンランタンも基本的にはほぼ一緒です。

ランタンが点灯する仕組みと言ったところで、ほとんどの方はご存知だと思いますが一応解説します。

下に画像を貼るのでここはざっと書きます。
タンクを加圧して燃料と空気を送り出します。
※ケロシンの場合は燃料のみです。
その送り出した燃料と空気をジェネレーターで気化させて、さらにバーナーフレーム内で空気と混合させます。
それをバーナーより噴出させてマントルを発光させています。
尚、ジェネレーターで気化させる際はマントルの熱を使います。

その為ランタンが点灯していないと燃料を気化させることが出来ません。
それ故に、気化しにくいケロシンランタンはプレヒートと呼ばれるジェネレーターを予熱する行為が必要になります。
ちなみに気化しやすいホワイトガソリンでもいきなり全開にすると炎上します。

以下に参考画像を貼ります。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の3枚目の写真

まずポンピングして空気をタンクに送り込みます。
青色が空気、赤色が燃料を示しています。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の5枚目の写真

タンク内が高圧になってくるとフューエルチューブに燃料が上がってきます。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の7枚目の写真

そして燃料バルブを開放するとジェネレーターまで燃料が上がってきます。
バーナーフレームの両サイドから空気を取り入れている様子も分かると思います。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の9枚目の写真

そして混合気がバーナーより噴出され燃焼するという仕組みです。

200Aなどはフレームの形が異なりますが、仕組みは全く同じです。

この一連の仕組みの中に不具合が生じるとトラブルが起きるということです。

パーツリストを見るとそこそこな数のパーツが使われているので一見複雑なように思えるかもしれませんが、仕組み自体は比較的単純です。

この仕組みを大まかに理解する事で、トラブルや不調の内容から不具合箇所を特定することが可能です。
例えばよくあるトラブルとして【圧がかからない】というのがありますが、この症状から考えるとポンプ周りに不具合があるのだろうと推測できます。

知ってる人からすると当たり前のことですが、これが案外分からずに修理に出している人も多いです。
そこで、今回はポンプ周りのトラブルについて解説していこうと思います。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の11枚目の写真

まず始めにポンプ周りのパーツ構成ですが、それに関しては前回の投稿に詳しく出ていますのでそちらを参考にしてください。

圧がかからないトラブルで考えられるパーツは基本は2点です。
1つ目がピンクの矢印で示したポンプカップ。
2つ目が青の矢印で示したチェックバルブです。

1つ目のポンプカップはポンピングをする際に空気をタンク内に押し込むピストンの役目をしています。
更にポンプカップが広がることによって、押し込む空気が戻らないようパッキンの役割を果たして効率よくポンピング出来るようにしています。
2つ目のチェックバルブはタンク内に溜めた空気が逆流しないように弁の役目を果たしています。

ポンプカップがしっかりと機能しないと、シュコシュコとポンピングをしても空気が漏れてしまいタンク内に溜めることができません。
ポンプカップは皮やゴムで出来ていて、空気を押し込むとその圧力で広がって壁に密着します。
イメージとしては注射器を押し込む感じです。

そのポンプカップが劣化や乾燥でしっかりと広がらないと加圧ができません。

そして2つ目のチェックバルブですが、これは以下に構造の分かる写真を載せます。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の13枚目の写真

まずこの写真、左側がチェックバルブ・右側はエアステムと呼ばれるものです。

エアステムのネジに溝があるのがお分かりでしょうか?
この溝が空気の通り道となるので、ステムを完全に緩めなくてもポンピングが可能になります。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の15枚目の写真

チェックバルブ内には金属製のボールが入っていて、これが弁の役割をしています。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の17枚目の写真
「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の18枚目の写真

根元が少し細くなってるのは分かるでしょうか?
ここにタンクからの圧力で押し戻されたボールが密着してタンクからの空気の逆流を防ぎます。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の20枚目の写真

これはエアステムが締め込まれた状態です。
ボールも根元側に密着しています。
エアステムとボールによって栓をしています。

「ちょっとしたメンテナンス講座②  | [ランタン] Coleman」の22枚目の写真

これはエアステムを緩めた状態です。
こうする事で先端に隙間が出来て、ポンピングした際に空気をタンクに送り込めます。
ボールはポンピングで空気を送り込むと奥に押され、空気を送り込むのを止めると今度はタンク内の圧力で手前に押し戻されます。
つまりボールはポンピングの際は常に上下しています。
ちなみにボールがポンピングで奥に押される時は爪があるので一定以上は押し込まれません。
そのおかげでタンクの中に空気を送り込めます。

ここまでで説明した通り、タンクを加圧するためには2つのパーツが重要になってきます。

ポンピングの際にスカスカしてしまうというのはほぼ間違いなくポンプカップの不具合です。

圧がかからない、固くてポンピング出来ない、圧が漏れてる。
これらはほぼチェックバルブの不具合です。
特にチェックバルブ内に入っているボールが原因となります。
このボールは上で説明したように上下することにより弁の役目を果たしますが、なんらかの理由で固着してしまい弁の役目をしなくなります。

ボールが上がりっぱなしの場合は、弁が開かないので固くてポンピングが出来ません。
ボールが下がりっぱなしの場合は、ポンピングは出来ますがタンク内のエアーを止めることが出来ずに漏れてしまいます。

これらのトラブルの対処法としては、ポンプカップの場合はリュブリカントなどのオイルを使用して皮に柔軟性を取り戻してあげます。
ボロボロの場合は交換になってしまいます。

チェックバルブの場合はパーツクリーナーで洗浄するとボールの動きが良くなる場合が多いですが、この部分はそこまで高価なものでもないので交換がオススメです。
というのも、ボールを受けているツメの部分やボールそのものが微妙に変形している場合があるのですが、その場合肉眼で確認できないことが大半です。
それに気付かずに組み付けてしまい、症状が改善されないことがあります。

ですのでこちらは交換がオススメです。

メンテナンス講座2回目はいかがだったでしょうか?
丁寧に説明するとどうしても長くなってしまうので、1度に何個も説明できないんですよね😅
それに圧漏れ系のトラブルは他にいくつもの原因が考えられます。
それらも全て説明してたら長すぎて誰も読まなくなってしまいます🙄笑

それでも少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。

是非この機会にお手元にあるランタンと向き合ってみてください。
自分の手で修理すれば更に愛情が深まりますよ✨

次回は何にしようか考え中ですが、同じようにどこか一部分に絞って解説しようかと思っています。
何か質問やリクエスト等あればお気軽にどうぞ😄

  • ささやん
    すごく分かりやすいです🤩 キャンプビギナーで、ランタンも調子がいいですが不具合が出た時は、自分で治してあげたいと思ってます💪 ぜひランタン講習続けてください🙏
  • ズィー☆
    勉強になります! では質問です。 明かりがチラつくのは何故でしょうか? テーブルランタンC128に症状ご出ています。 続きも楽しみにしています。
  • Zeki
    勉強になります🙏
  • おしりのごはん
    勉強になりました! まだ液燃ランタンを持っていませんが、いつかのための知識として拝借します
  • お花屋さん
    講座勉強になります! オイルは購入して差しています。 ただコールマンの取説にもどれくらいの頻度でオイルさせば良いか書いてないのでご教示いただければ幸いです🤗
  • トム
    イラストとカットモデル。 どちらもわかりやすいですね👍
  • koronat
    とてもわかりやすい説明で、納得!でした。困ったらご相談させてくださいね! フォローさせてください!
キャンプ場に出没するマジシャンです。
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