MEGALIGHT

先週末はずっと雨予報。単身赴任でお一人様なオイラ。雨だからと家にいてもやることがない。散々迷ったが、やはりキャンプ行くかと曇り空の中、車を走らせた。

しかしゴミ袋撤収は確実な為、幕を何にしようか悩む。circus tc は乾かすの面倒くさそうだ。やはり軽量幕がよろしいだろうと道具部屋をゴソゴソ探して、久しぶりの幕を引っ張りだした。Blackdiamondのmegalightだ。この幕はキャンプを始めた頃に購入した思い出の詰まった幕だ。
昔埼玉で働いていた頃、辺鄙な場所にアウトドアショップがあった。今でこそスノーピークはどこでもその辺のスポーツ店でも売っているが、その頃は売っている店が限られており、そこは数少ないスノーピークを扱っているお店だった。キャンプを始めたばかりのオイラはコールマンからスノーピークへの移行期にあり、そこの店員さんにこれはどう？あれはどう？と色々と相談していた。辺鄙な場所にある為、お客さんも少なく、色々詳しく教えてくれた。エアマットのたたみ方とかテントを建てる位置だとか基本的な事を皆その店員さんに教わった。しかしその店員さん、後でわかったことだが山と渓谷にコラムを書くぐらい有名な山屋さんだった。スノーピークが目当てで通っていたオイラだが、スノーピークのことを質問すると必ず「そんなもんいらねぇ。重い。こっちにしろ」と売ってくれない。それで奨めてくれるのが決まってBlack diamondかMSRだったのだ。オイラは山は行かないです。キャンプなんですと何度訴えても、「大丈夫。人は皆最後は山に向かう。お前も山に行くようになる」と雪洞の掘り方や過ごし方、山でのビバークの仕方、水の確保方法など教えてくれた。オイラがどうしてもIGTが欲しくて売ってくれと懇願した時に、じゃあこれを買ったら売ってやるよと交換条件に購入したのがこの幕メガライトだ。その店員さん言わく、これは持っておいて絶対損しない。必ず買って良かったと思う日がくる。だから今無理してでも買え。IGT買う金があるなら買え。と言っていた。その後そのアウトドアショップは潰れてしまい、潰れた理由はなんとなく想像できるが、今はもうない。その店員さんが今どうしているかも知らない。しかしその後、この幕背負って丹沢も登った。冬に凍った北海道のサロマ湖の氷の上でキャンプした時も使用した。その店員さんが言った事は本当だった。あの時必死に頼み込んで購入したスノーピークの品はもうすでに手放してしまった。しかしあの店員さんに買わされたものは今でも使っているし、保有している。そんな思い出が詰まったメガライトだ。

こうしてバイヤーのコットを置いても余裕がある。お一人様がこもるにはちょうど良い広さだ。地べたスタイルなら大人3人がこもって煮炊きするくらいは可能だ。またメガライトには付属のポールではなく、山用のストックをポール代わりにするアダプターが付いている。私はもう無くしてしまったが、そのアダプターがこのメガライトの最大の利点だとその店員さんは言っていた。

このようにペグを差し込むフックは２つ付いており、夏の暑い時期は外側にペグを打って風が通るように、冬の寒い時期は内側に打って風が通らないように調整できるようになっている。ハイカーズデポさんの実測値では671ｇとのこと。軽いし、収納も小さいから持っておいて損しない幕だと思う。四角だから、四隅にペグ打ってポールで立ち上げるだけ。オイラのような文系脳でも迷うことがない。店員さんの言う通り、オススメである。
今回、雨で良かった。この幕を道具部屋から発見できたからだ。危うくこの幕の存在を忘れて、テンマクデザインのパンダを買うところだった。危ない。インナーはないけれど、この水色のカラーリングが明るく、アウトドアを華やかに盛り上げてくれる本当に良い幕だと思う。