真っ白なキャンバス

画面のなかでしか見たことのない.

真っ白な
雪の上でのキャンプ.

寒くて震えちゃう
外になんて出たくない、

そんなことを遥かに超える
きっときっと素晴らしい
光景がひろがってるんだろう

ずっと行ってみたかった
雪の季節だけのキャンプ

キャンプをはじめたばかりの頃から
雪中キャンプという
未知の世界に踏み込みたくて
気になってしょうがなかった.

けど
大自然と向き合うこと
きれいごとじゃ済まされない

知らなかった危険性が
たくさんあること、
天候とか、その場での判断力が
必要であることを知った

そんな
キャンプの魅力も
自然のリアルも教えてくれるfaloさんが
忙しい仕事の合間をぬって
こんな私に
雪中キャンプに行こう と言ってくれた*

装備は最低限。
いつでも撤収できるように

とにかく暖かい格好で。
着太りなんて気にしない

期待と不安のなか いざ出発

想像よりも道中の道には
ほとんど雪がなかった

フィールドが近付くにつれ
脇には山肌がふっかふかの雪に包まれ
気分が高まる

積雪は予報通り25cmくらいだった

このままだと ひざ近くまで
埋もれちゃうから
スコップで
雪をどかして通り道をつくる

さらっさらのパウダースノー＊

軽アイゼンの歩き心地が
雪の感触をサクサク実感できて楽しい

雪の上での始めての設営

足どりも ペグを打つのも
いつもと違くて必死だった.

faloさんにコツを教えてもらいながら
なんとか感覚を信じて
テンションをかける

こんなかんじかな.

設営を無事終え
faloさんのツインブラザーズで
かんぱい

その1口目のビールの
美味しいこと おいしいこと

仕事からの解放と
非日常なこの空間

そしてお酒が飲める
自由な時間

時々幕から出ると
たしかに冷たいけど
澄んだ空気

暗闇にうっすら見える
一面氷と化した湖面

見上げれば無数の星たち

やっと味わえたんだ
雪上のキャンプを

私には
素敵な直テーブルに見えた
ツインポールの下に敷かれた
この2枚の木の板がすごく深い.

こういうところに
faloさんの感覚と
今までのキャンプ経験との
貫禄がありすぎて
とてもとても敵いません

そんな話をしているうちに

どんどん体が冷えてきたので

楽しい夜の時間はここまで

暖かい幕内に入ろう

私の強い味方
レインボー と 湯たんぽ
寝床は
サーマレスト と バロウバッグ#0

この冬をともに過ごしてきた
きみたちに
私のすべてをゆだねよう

そんな気持ちで眠る

あっという間に朝がきた

マイナス10℃？
底冷えは感じなかった

むしろぐっすりだった

改めて信用できるギアたちに
愛着が増す＊

いよいよ
白銀の世界とご対面

何度か来たことあるはずの
フィールド

目の前にはまったく違う
光景がひろがっていた

とにかく綺麗

気持ちまですーっと
漂白されていくような

深い深呼吸をして

見渡す限りの白を
目に焼き付けよう

時々どさっと
湖の氷が動く音

真っ裸な木々たちに

自由に飛び回る小鳥たち

寒さでオーディオが
使いものにならなかったことなんか
とっくに忘れていた

朝ごはんは
最近ブームの
パン屋さんめぐりで調達した
クロワッサンと
塩バターパンを
取り出して
手軽にサンドイッチ

生ハムとモッツァレラ
そしてマヨエッグをサンド

暖かいスープとコーヒーが
しみわたるー

夜インキャンプは
いそがしいのだ

腹ごしらえをしたら
もう撤収

このあとの楽しみのために*

大好きな
魔女の宅急便に出てくる
絵描きの女の子
ウルスラのリュックみたいな
このザックに
大切な道具たちを詰め込む

来シーズンの
雪の季節は

この
真っ白なキャンバスに
どんな画を描きあげようか

そんなことを思いながら
フィールドを後にした