涙のカヤックキャンプ.

バックパックでカヤックを引いて、浩庵へ2泊。

バスを降りて1時間弱。緩やかな登りなので、ひーこら言いながらやっと到着。

浩庵の湖畔は傾斜がすごく、整地してからの設営なので少々時間がかかる。

昼ご飯はインスタントの味噌汁に焼きビーフン。

子供の頃、ケンミンの焼きビーフンのCMを良く見たが、実際に食べるのは初めて。

こういう味だったのかと何だか新鮮な気分。

さて早速カヤックでもと思ったらいきなりのアクシデント。

前回のカヤックキャンプで、エアバルブキャップが無くなっていたのでエアポンプを付けたまま使っていたのだが、今回はそこから空気漏れが。

これは間違いなく沖で沈むやつ。

ただの一度も出艇する事なく、ただ重い思いをしてカヤックを持って来ただけと、いきなりの涙。

インスタでは言わない、ここだけの話。

晴れてはいるが、富士山は僕の涙を拭ってはくれなかった。

仕方がないので、薪作りに精を出す。

年々人気の高まる浩庵。平日だというのに満近いサイト。

僕もトイレや炊事場から遠い湖畔を取るのがやっとで、もうここは真冬しかゆっくり出来ないのかもなぁ。

完全にオブジェと化したカヤック。

今回は試験的にいつも愛用していたインディアンハンガーを置いてきたが、座ってる左側がスカスカで基地感が損なわれてしまった。

散歩してから夕飯の準備。戦闘飯盒2型は万能で、中子で米一合炊ける。

鶏団子と春雨スープを作って、厚切り豚バラのハニーマスタードポーク。

夕方過ぎから風が出て、周りはけっこうザワついていた。

ようやく富士山も少し顔を出してくれる。

風も強く体温を拐って行くので思いの外寒く、疲れていたし早く寝て早く起きよと早々とテントに入ったのだが、

隣のカップルの女子が0時近くまで幕内でゲームをしていて、しかも良く喋る子で参った。

気を遣って小さな音と声な気はするけど、丸聞こえなのを学習して欲しい。

しかもゲームがスーパーマリオだから、尚更耳に残って完全に眠れないモードに。

やっとゲーム音が消えたが、深夜1時頃、今度は逆サイドのファミリーが子供をトイレにどっちが連れて行くかで夫婦喧嘩勃発。

昼間は子供も4歳くらいの男の子で、仲良さそうな中年の夫婦だったのに‥

これにはさすがに、仲裁という名の苦情を言いに。

まぁそのお陰で綺麗な月を見れた訳だが‥

困ったのはその後、隣のパパさんは眠れなくなったのか片付けを始める。

車の開け閉めや足音、物凄く気を使って静かにやってはいるようだが、これまた丸聞こえなんだよなぁ。

しかもたまに、プゥ〜っとオナラをするもんだからこれがめちゃくちゃ腹立つ！

あーーーと思いながら、いつの間にか就寝。

翌朝7時起き。朝活失敗。

富士山はご機嫌で、この夜明けを見逃したかと対照に僕は不機嫌。

でも混んでるキャンプ場では、朝活も音に相当気を使わないとなと、わかってはいた事だけど良い勉強になった。

しかし、この美しい湖面にカヤックは持って来ているのに出艇出来ないとは‥

朝食は昨夜のスープに、母の料理である肉レツを再現。

挽肉のオムレツ。肉を詰めすぎてオムレツが裂けてしまったが味は抜群。

逆さ富士を見ながらの朝食は格別だった。

本来ならカヤック三昧の所、やる事がないので昼寝。

カヤックをサマーベッドに。

カヤックをやって、お腹空いた所に食べようと楽しみに持って来ていたカップ焼きそばを、無理矢理オヤツに食べる。

old bear knife。漆黒のナイフが欲しくて手に入れたのだが、同サイズ帯のオピネルより軽く切れ味抜群。

国産が1番だが、made in Italiyってのが堪らない。

ナイフが刺さった薪の右側が、恐竜の顔にしか見えない。

この日も続々とキャンパーは訪れ、ちょっとした隙間にも何でそこに張るかなぁ？マンも現れる。

僕は車もなく、周りに比べて小さなソロテントなので、空いてるように見えてしまうんだろうなぁ。

10分後には真後ろにも、あれ？僕待ち合わせしてましたっけマンも現れる。

当然フリーサイトなので文句はないのだが、後ろを取られて殺し屋だったら落ち着かないほど次々と設営される。

良かった、たまたま殺し屋じゃなくて。

この頃から多少風が出始める。

夕飯は水蒸気炊飯に初挑戦。初めてなので慎重にバーナーで。

下で煮物を、上で炊飯を。

夕飯はハヤシライスに、ビーンズサラダとポタージュを。

吹いたハヤシライスが少々白米にかかってしまったようだが、美味しく炊けたし上々の出来上がりだった。

もう夜はまったり焚き火。弱い風がずっと吹いているのでけっこう寒い。

やはり真冬の空気とは違い、夜に富士山が浮かんでは見えず。

真夜中、トイレへ行くとき霧がかって幻想的だった。

4時起きで朝活。混んでるので慎重に。

朝の野鳥の声や澄んだ空気。何よりこの静寂が本当に最高の時間。

そこから出んのかーい！と言った朝日も拝んで、

朝食には昨夜のハヤシをドリアにして、もういっちょビーンズサラダにポタージュを。

帰ってから仕事があるし、バスの時間も早めなのでチェックアウト時間より早めに撤収を。

河口湖駅では、信玄餅ソフトを。信玄価格で若干高いけど美味しい。

こうして出鼻を挫かれた、涙のカヤックキャンプは終わりを告げた。

キャンプをしていなかったら、こうした景色にもこんな苦い経験もしなかったのだろう。

もちろん行く先々で出会う人たちも同様、このアプリで仲良くしてくれている方々のお陰様で楽しく生きていられる。

キャンプって本当に素晴らしいんだなぁ。