Reset.

オレンジ村から帰宅して数日後、思い立ってふもとっぱらへ2泊。

家族への想い、仕事の事、これからの人生。いろいろな想いを一度リセットしたいなと思った時に、ふと富士山を見たくなった。

新宿から高速バスで河口湖まで。

そこから路線バスで1時間ほど。降りたら歩いて28分。

ここは車でよく家族と走ったなぁと。

ソロを再開してから、家族で行ったキャンプ場へ行くのは、何だかファミキャンを思い出して寂しくなるので封じていたが、それもリセット。

自分にルールを課せると首輪になるし、世界も狭まる。

寂しい思いをするのも家族への愛情の深まりに繋がるかなぁと。

前夜、左足の親指を突き指してしまい上手く歩けなかったが、何とか到着。

2020年はコロナで予約も流れ、ふもとっぱらに来れなかったので久しぶりに見た看板は変わっていた。

着けばチェックインの車列。

歩きの場合はどうすんだ？と少し悩むが、横入りみたいになるのも嫌だったので車列に立って並ぶ。

徒歩だと一泊1000円と良心的。

迎えてくれた富士山は、最高にご機嫌なコンディションだった。

サクッと設営。帰ってから知ったのだが、この日2月23日は富士山の日だと言う。

思い立ってここへ来たのに、これもまた巡り合わせだなと、今嬉しく思う。

これだけの環境があれば、特別やる事もいらない。

息を吸ってるだけで気持ちは高揚する。

とは言え、お腹は空くので少し早めの昼食を。

いなだの刺身定食にホタルイカを。

それと鯛汁。最近ずっとこれにハマっているのだが、近所のスーパーで鯛頭が2頭で100円。

つまりこの鯛汁は50円で、調味料は塩だけと圧倒的コスパと冬には温まるし圧倒的美味さ。

ハマらずにはいられない。

この日は朝から風が少しあり、焚き火禁止令が出ていたが、夕方前ようやく解除になったので焚き火を開始。

何というか‥この世にいろいろな贅沢はあるのだろうけど、正にこれもその１つなんだろうなぁと思う時間を過ごす。

被写体に富士山があると、そればかり撮ってしまう。それほど見事な富士っぷりだった。

夕飯はフランスパンにクリームシチュー、シーザーサラダだったのだが、シチューに入れるブロッコリーを忘れる痛恨の一撃。

僕に言わせれば、まるでキムタクのいないSMAP状態。

ブロッコリーを忘れた以外、何一つ文句の付けようがない夜を焚き火と共に過ごす。

翌朝、5時半に起きるも富士山はまだ雲に隠れて寝ていたので、朝日は諦め9時まで寝る。

朝食はフランスパンにベーコンエッグ、昨夜のクリームシチューの残りを。

食後は特にやる事もなく、ずっと富士山を見て飽きてしまうのも嫌なので、道の駅朝霧高原を目指す。

怪我も少し癒えていたので、徒歩50分を受け入れる。

Googleマップに従ったのだが、ふもとのこちら側の道を使うのは初めて。

富士方面は観光各所、移動距離が長いイメージがあり、どうせ国道歩かせるんでしょ？なぁんて思っていたが、思いの外こうした富士もバッチリ見える遊歩道を歩きテンションアップ。

まぁ結局は半分国道歩いたけど。

ここに来た目的はソフトクリーム。

だけどお勧めは、道の駅の隣にあるこのフードパークの、

ここ朝霧乳業がお勧め。牛乳も試飲できるし、ソフトクリームも本格的。

ここで牛乳ソフトヨーグルトに舌鼓を打ちまた歩いて帰路へ。

帰りの道中、国道からふもとっぱらが見えたのでGoogleマップを無視して荒野を進む。

思わぬショートカット成功に気分も上がる。

帰ってからのオヤツに鹿肉を買ってみる。

猪や蛙などいろいろ食べてきたけど、意外と鹿だけは無かったので良き経験。

けど、思いのほか値段は高い。

あれ？鹿はレアでイケるのかと恐る恐る食べるが、臭いもクセも無くすごく美味しかった。

明朝の薪が足りるか心配だったので、袋詰め放題500円にチャレンジ。

バックパッカーの腕の見せ所。

夕方前くらいから雲が濃くなる。こりゃ一雨来るかなぁと思った矢先、

小雨が降って来たのでテント内でまったりと。

降水確率0%の定義を教えて欲しい。

数時間みぞれ混じりの雨が降ったので、テント内で夕飯を。

新玉炒めとエリンギ、ステーキにオニオンスープを。

ナイスレア。

ようやく雨も去り、

まったり焚き火タイムに。

さすがふもとっぱらは人気キャンプ場で、平日ではあるがそこそこ混んでいて、周りからは賑やかな声が。

静かなキャンプも好きだけど、周りにキャンパーがいてそれぞれの灯りがあって、楽しそうな声が聞こえてくるキャンプも好きだなぁ。

夜でも富士山は雄大なその姿で、僕をはじめきっと多くのキャンパーを魅了したのだろう。

21時過ぎくらいから、50mほど先のファミグルサイトから子供たちの元気な声と、多分お酒を飲んだ夫婦が恐らく子育てについて熱く討論をしていた。

賑やかだなぁなんて微笑ましく思っていると、法の番人かのように、22時ぴったりに10mほど隣りの車で来ていたオシャレ風ソロキャンパーがテント内から「何時だと思ってんだうるせーぞこのヤロー」と怒号が飛ぶ。

おいおい何かそれも違うぞーと。何ならアンタの怒号の方がうるさくて不愉快だぞーと思うが、でも周りには良く言ってくれたと思う人もいるかもで、まぁよほど我慢してたのかなぁとか、マナーって本当難しいなぁと。

でもせっかくキャンプに来て、ふもとっぱらは混んでるの分かってるんだから、もう少し寛大な心を持ってですねぇ‥などと焚き火を楽しんだ。

その後2.3度、隣から怒号が飛ぶが、テント内から言うもんだから何なら外にいる俺が言ってるみたいじゃねーか感がすごく嫌だったので「僕は言ってないですよー」と張り紙をテントに貼っておきたかったけど、生憎と紙もマジックも持っていないので諦めた。

その後、寝る前に偶然にもトイレで文句言われた側の男性2人と遭遇。

「あんな言われ方したら謙虚に謝る気になれないよなぁ」「こっちは子連れなんだから仕方ないじゃねーか」

と、逆に文句を言う始末。

全く反省してねー笑

正に負のスパイラル笑

いやーふもとっぱらは楽しいなぁと眠りにつく。

早朝5時半に起きる。テント内も凍ってた。

氷点下-6℃。

昨日、雨が少し降ったもんだから尚更一面氷の世界。

美しかった。

焚き火をつけて炎の暖かさを知ると、自分の原点が何で一体何をどうしたいのか、心が洗われて素直な気持ちになれた。

そして朝日を迎え、全てが浄化されていくような朝を迎える。

朝はホッケに納豆、お新婚に味噌汁といった和定食。

ホッケをひっくり返す時に崩れてしまったのが悔やまれる。

ふもとっぱらを後にしたのち、バスの乗り継ぎで時間が空いたので河口湖駅前のほうとう不動でほうとうを。

恐らく20-21、今季の冬キャンはこれがラスト。

2泊の冬装備でザックもパンパンだった。

いろいろリセットしたくて、ほぼ前日くらいに突然決めた今回のキャンプ。

帰り際、振り返って眺めた富士山を見て深呼吸。

今、僕の心は解き放たれた。