知床エクスペディション2019 Pt3

Day4:

毎日寝るのが早いので5時起床がデフォルトとなっています｡この日はうねりがようやく消えてきて､湾の入り口も波が低くなっていました｡

突然ですが､1週間旅をともにした愛艇紹介(レンタルです)｡

このカヤックは九州でカヤックを製造しているウォーターフィールドカヤックス社のその名もずばり”知床”｡ウォーターフィールド社の社長さんは知床エクスペディションに参加したことがあるそうです｡このモデルは知床エクスペディションに合うから使ってみて｡と社長さんが新谷さんのところに持ってきたそうです｡4.8メートルとほどよい長さで大柄な人でも乗れるコクピット､船底ははっきりとしたレールのようなキール形状になっており､直進性が安定し､岩場をずるずる引きずっても船底のダメージが少ない仕様｡

ちなみに知床半島はどこに上陸しても足場が悪いので､カヤックを一生懸命持ち上げて落として壊してしまうより､引きずって移動しろと指示されています｡今回､自分の役割は鍋運搬係なので､デッキ後部にはロープで厳重に縛り付けた鍋とフライパンが積載されています｡

天候も良さそうなので少しのんびり目に準備し7時頃出艇｡この日はほぼ無風で平和な気分で漕ぐことができました｡新谷さんに岸沿いの名所を色々と説明してもらいながらゆっくり進みます｡

まるで誰かが彫ったような観音岩｡

ディズニーランドの某アトラクションのような海賊岩｡奥には鴨の大群がいてびっくりしました｡

Pic by Mさん

そしてこの日になって初めてヒグマを目撃しました｡写真ではほぼわかりません(笑 が､急斜面で何かを掘っています｡新谷さんいわく､ちょうど植物の芽が出る時期なので何かの新芽を食べているんだろうとのことでした｡距離があったのでよくわかりませんでしたが､かなり大きい個体のようでした｡ちなみに今回の旅ではヒグマ目撃回数が非常に少なかったのですが､いつもは数え切れないくらい見かけるそうです｡

終始平和に漕ぎ進み､昼時になったのでカパルワタラの番屋跡地に上陸し昼食｡つい最近まで使われていた番屋だそうですが､数年前の台風で破壊されたそうです｡廃墟の中にランクルがあるのでこれまたびっくりしました｡ただし車としてではなく､漁業作業する時のウィンチとして使っていたそうです｡

Tさんのお土産である長崎うどんを食し､昼休憩｡Mさんがクリオネの大群を発見し､見せてくれました｡

長めの昼休憩の後に出発し､本日の野営地である蛸岩へ向かいます｡番屋からすぐ南にある有名な?カシュニの滝｡真夏であれば､わざと滝の真下に突っ込んで遊んだりするそうです｡

Pic by Mさん

そしてすぐに蛸岩到着｡ずばり巨大なタコに見えます｡この日もかなり気温が高く､25度くらいになりました｡寒いと思い込んでいましたが､短パン､サンダル､普通の帽子を持ってくるべきでした｡

ビールは日数分しか持ってきていないので一日一本を厳守!

夕食は細切れ肉による酢豚風丼でした｡そして宴会｡恒例のアウトドア談義は､ヒマラヤで新谷さんの登山隊のメンバーがクレバスに落ちて亡くなった時の話､ニセコの雪崩で死亡した人の話､などヘビーな話題でしたが興味深いものでした｡日本酒やらウィスキーやら個人用酒を回し飲みし､平和な一日だったので気分良く酔っ払い就寝｡酔っ払った新谷さんがずっと一人で歌を歌っていたのが面白かったです｡続く