いちばんの秋がある場所へ
涸沢カールの秋、その風景を見ただけで涙を流すひともいると言う。
いつか必ず行く、そう考えていた。
行くからにはテントで満喫したい。
秋を感じるご飯も食べたい。
最高の景色のなかで飲むコーヒーはどんな味だろう。
ザックの重さは楽しみの多さだ。
荷物は減らさない。それじゃ何のために行くのかわからない。
深夜に車で出発して早朝には長野入り。上高地はマイカー規制があるので、沢渡駐車場からバスに乗り、上高地のバスターミナルに着いた。
紅葉は最盛期。秋だ。
河童橋を渡り、しばらくは平地を進む。
寒い。が、早朝の空気が気持ちいい。
徳沢ロッジ。隣のキャンプ場も含めて雰囲気が抜群だった。ここまでなら平坦な道だけなので、気軽に旅行に来るのもいいな。
登りに入ると荷物の重さと寝不足から足の進みが遅くなった。美しい景色が無ければ、心が折れていたかも知れない。
涸沢に近づくと、秋から冬の様相へ変わっていった。ナナカマドの真っ赤な実で埋め尽くされる景色は、あまりに鮮やかで美しい。
一緒に行った友人の男臭さがなければ、宇多田ヒカルのPVと見間違うところだった。
ようやく涸沢に着く。残念ながら、紅葉は終わっていた。山の季節は早い。
500張できるというキャンプ場はテントもまばら。しかし雰囲気は抜群だ。ここで一晩過ごすと思うと楽しみで仕方ない。
早々にテントを張って、隣接する涸沢ヒュッテで1000円を払い野営許可証をもらった。ついでにおでんを食べる。
日が暮れてきたので、夕飯を作る。まずは芋と栗の炊き込み御飯。
次に椎茸のコンビーフ詰めにんにくバター焼き。
もちろんうまい。荷物は重かったが、報われた。
6時にもなるとあたりは真っ暗。
少し曇っていた空はいつの間にか晴れていて、空は星で埋め尽くされていた。
空にはこんなにも星があったのかと驚いたまま、鼻水をすすりながらしばらく見上げていた。
天の川が横たわる夜空を、ぴゅんぴゅんと流れ星が横切っていく。素晴らしい。
夜景の撮り方がわからなくて、友人に教えてもらった。三脚が必須だと知る。また荷物が増えるのかと悩みつつも、楽しみが増えたことを嬉しく思う。
この日は19:30に就寝。さすがに寒さで何度か起きたけど、思ってたよりはずっと平気。
(「最高のコーヒーを淹れにいく」につづく)
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aky & co.
読み物のようで、写真も文章も素敵です!
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BEKE
ホント良い旅ですね〜‼︎実に羨ましくもあり、懐かしくもあって、読んでいてワクワクします。上高地で見た満天の星空と沢山の流れ星はとても良い思い出です。続きを楽しみにしてますね〜‼︎
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daimaru
ありがとうございます。みんな旅に出たくなれ、キャンプしたくなれ!と願って書いてます。あまりに長くなるので、To Be Continuedにしちゃいました。
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falo
凄い! 自分も行った気になって読んでしまいました。
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Midorin
うあー!!すごい写真ばっかり〜、、しかも山の上でのキャンプかっこいいですね! 星がまた綺麗だ! 山登りはしないのでこの写真を見せてもらうだけでなんだか得した気分です。ありがとうございます