第4野 Наадам!
朝9時。
今日も遅めの起床。
もそもそもそ。
朝ごはんの準備が既に終わっていた。
膝に違和感はない。やっぱり、1日経つと慣れるもんなのか。
KFCの袋に入ったボールツォグと、ロシアのバター、そしてベリーのジャム。
バターは日本のそれと比べると随分スッキリした印象。
ジャムは最近の日本ではあんまりない結構な甘さ。ベリーの香りがしっかりした。
4日目の朝ともなると、みんなとも仲良しな感じになる。
膝のことも結構気にかけてくれた。
じゃあ元気出して行こうか。
パカパカパカ。
パッカパッカパッカ。
1時間も歩かなかった。
嘘だろ、やっぱり、ダメなのか。
パッカパッカパッカ。
パッカパッカパッカ。
ちくしょう。
膝が、割れる‼︎
クソッ、泣けてきた。
志半ばで、リタイアか。
そのとき、彼女は言った。
馬を変えてみよう。
何言ってんだ、変えたところで馬は馬だぜ。
まあいいや、変えてみよう。
?!
えっ? なんで??!
乗っただけでわかる。
この馬、全然痛くない。
この馬を、レクサスクンと名付けた。
そこからは一気に笑顔が戻った(←至極単純である)。
いやしかし、なんせ、さっきまでの激痛が歩こうが走ろうが全然感じないのだから。
こいつとなら、何処までも行ける。
5分後。
馬を交換したガイド(モンゴル人)は静かに言った。
「うーん、この馬は膝が痛くなるね」
マジか。
何が違うの、と問うも、彼にもよく分からいようだった。
ただ、静かに苦しそうだった。
ヒザゴロシチャンは、確実に犠牲者を増やしていた。
岩場を登っちゃったりなんかして、すっかりご機嫌である。
この辺には狼が住んでいるらしい。
そんな岩場を登った先で、ドライバーさんとコックさんが先回りしていた。
肉と野菜を炒めたら、
水を加えて蒸し煮にする。
シャルサン・マフタイ・ホールガの完成。
嗚呼、全身が軽い!
嗚呼、楽しい! 楽しーーーい!!
右がレクサスクン。
もうこんな坂道もスイスイである。
ガイド「今日は距離を稼ぎたいので20時くらいまで走ろうと思いますが、大丈夫ですか?」
今朝までの状態なら、黙って車に乗っていただろう。
しかしどうだ、レクサスクンとならまだまだ走りたい!
20時? 何言ってんだ、22時まで走ってもオーケーだぜ。
なんて言いながら、急な斜面は馬を引きながら降りてると、
ガイド「今日はここでキャンプをすることにします」
「え? まだ18時だよ?」
右手奥に見える黒い柱がわかるだろうか。
雨だ。
テントを張りながら夕食の準備をしていると、突然大粒の雨と強風が僕らを襲った。
ヤバイヤバイヤバイ!
テントの中に避難だ!
ギリギリアウトだった。
雨はあっという間に通り過ぎて、4人は近くの村に買い出しに行った。
僕と乗馬インストラクター(モンゴル人)の2人きり。
言葉が通じないので、静かな時間が流れる。
しばらく沈黙が流れると、彼が手招きしている。
ん? と近づけば、何やらおつまみ的なご飯を作っていた。
「!」ちょっと待ってて、とジェスチャーで応える。
確かこの辺に、、、あった!
両手に缶ビールを1本ずつ持ち、どうぞと差し伸べた。
美味い! つまみもビールも最高だ!
言葉はまるで通じないが、心は通じ合うことができる。
ぼうっとしているとエンジン音が近づいてきた。
おかえりなさい。
ダンボールいっぱいの酒もやってきた。
雨上がりの夕日はとっても綺麗。
久し振りに、大きな虹を見た。
さあ、今夜はナーダム。
みんなで一緒に呑もう呑もう!
トォローッ! カンパーイ!
それぞれの言語で、みんなで高らかに。
そんな素敵な夜。
楽しい時間は、星が見えるまで続いた。
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koronat
初めまして。コメント失礼します。 冒険ですねー。 憧れますねー。 めっちゃかっこいいっすねー。 フォローさせてくださいまし。
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気球
高級馬🐎に変更出来て良かったですね( ´∀`) 大変ですけど充実したアドベンチャーですね〜!
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chiyo
馬🐴だけでそんなに違いがあるんですね〜〜😳✨ 膝が無事でなによりです😁👍 言葉は通じなくとも笑顔は万国共通😁✨ 心と心で通じ合えるのですね😊✨ 何か癒されました🤗✨
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まるまる
シャルサン・マフタイ・ホールガ おいしそう!どんなお味ですか? ㊗️ヒザ復活✨ 彼女さんナイス👍
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トム
レクサスクンとヒザゴロシチャン、何が違うんでしょうねぇ。 しかし原因がわかって良かったですね!