もうソロなんてしないなんて

GO OUT JAMBOREE、それは日本最大のキャンプイベント。キャンプフェスだ。

これまで参加したことはない。だって料金高いし、混んでるし、のんびりできそうにないし。

でも今回は違う。もっと色んなキャンプのスタイルを知りたいと思うようになった。みんなどんなサイトでどんな風に過ごしてるんだろう。

とはいえ、子供が生まれたばかりでまだキャンプには早すぎる。お父さんはソロで参加することに。

「え？ソロ？GO OUT JAMBOREEにソロ？」

わかる。言いたいことはよくわかる。知り合いも一人もいないのに、一人でフェスに行くなんて。でももう決めた。行く。
それでも内心は葛藤を残したまま、会場のふもとっぱらに到着した。

ソロだからバイク。入場に待ち行列があるところから驚かされた。

金曜の前夜祭から参加したから、サイトはまだまだ余裕。ソロはさすがに遠慮して、区画の端っこへ。それにしても周りのテントの大きさよ。

設営中にテントが飛ばされそうになって声を掛けてくれたお隣もまさかのソロキャンパーだった。こんなフェスキャンプにソロ参戦する人が他にもいるとは思わなかった。

まずはコーヒー。自分を落ち着かせた。次に米を炊いて、焼おにぎりの準備。前夜祭での唯一のイベント、持ち寄りBBQに参戦するためだ。

お隣さんに声を掛け、一緒に参加。酔った勢いで色んな人と話せた。この後もお隣さんに助けられ続けた。こんな幸運な出会いはそうそう無い。

もちろん二日酔いで遅い起床。

とりあえず米を炊いて、ゆかりおにぎりにした。実は食料を買い出しそびれて、自宅から持ってきた米しかない。ソロだから、まあいいや。

コーヒーを淹れて、お隣さんとキャンプの話をしてると、雑誌の取材を受けた。もちろんキャンプ雑誌な訳なくて、バイク雑誌のひとだった。取材を受けるのはとても光栄だったし、バイクの話や自作のタンクバッグの話をしてるのはとても楽しかった。

取材が終わって、ブラブラと会場をまわる。

出展されてたOcho campさんと前夜祭で知り合えたので、ブースに寄った。なにこれかっこいい。欲しい。

Instagramでコメントをくれた人にも会いに行き、キャンプの話をした。実物のサイトは写真よりもずっと素敵だった。

そして暇になった。
うわ、さびしい。いつものソロの感じじゃない。お祭のなかでソロってこんな感じなのか。

やっぱりGO OUT JAMBOREEでのソロなんてしなければよかったかもな…、なんて思ったりもした。

最終日は強い風と雨らしい。暇な時間を使ってタープの下を片付けて、バイクのガレージに。
(実際、最終日は荒天のため中止になった)

「水曜日のカンパネラのライブでも見て若者の今を感じたら、今日は早々に寝ようか」なんて思ってたら、お隣さんが奥のキャンパーと一緒に晩ご飯しないかと誘ってくれた。
もちろん二つ返事で了承して、しかもすき焼きやアヒージョをご馳走になった。

デザートは焼いたカントリーマァム。
焚火を囲んで話が尽きなかった。

昼間は心が折れかけたけど、本当に素晴らしい出会いがあった。だから言わせて欲しい。

「もうソロなんてしないなんて、言わないよ絶対」