白く、寒く、美しく

冬の山。
人を寄せ付けないような、厳しく美しい自然。

憧れてた。
雪山に慣れた友人のお誘いがあった。
まずは日帰りから始めよう。

前日、近くのキャンプ場に泊まる。
この週末は大寒波が来ていた。
雪が積もり、キャンプ場は真っ白。

「誰もいないよぉ、こんな寒いのに」と管理人さん。つまり貸切。

区画サイトだけど区切り線は見えない。
「どこでもいいよぉ」と言われ、プラプラと場内を見学。水の出る水道がひとつだけだったので、実際の選択肢はそんなに無い。

川を臨み、対岸には東武線が走る。
なかなか良い場所に設営。

とにかく寒いので火を起こす。
こんな時に食べるウインナーのうまいこと。

辺りが暗くなり、夕食の準備。
こんな日は鍋に限る。鶏つくねは作るのが簡単なのに、確実にうまい。

明日は早い。
キャンプ場の温泉で温もった後は、軽く日本酒でしめて早々に就寝。

見事に晴れた朝。
真っ白な世界を陽が照らす。

寒い、寒い。
朝ごはんは具沢山のスープとコーヒー。

夜には雪がさらに積もった。通りで寒いはずだ。

さあ、今日は歩こう。
目指すのは雲竜渓谷。凍った滝、氷瀑が見れることで有名らしい。

車がスタックして出発が遅れたけど、なんとか登山口に。

こんなに雪があるのは珍しいと友人。夏装備にちょっと防寒と軽アイゼンがあれば大丈夫と聞いていたけど。

「雪なんてほとんど無いですよ」って聞いてたのに、どう見ても雪山。
粉雪が降り続く中、埋もれて消えそうな道を歩く。

予想よりもずっと雪が深く、軽アイゼンではなかなか厳しい場面も。

川沿いを歩いてるはずだけど、川が雪で埋まって見えない。

途中の渡渉。ざぶざぶ行く。雪で見えなくて、一度だけざぶんと膝上まで浸かってしまった。
靴の中まで濡れたけど、日帰りだからまあ大丈夫。

膝まで隠れる雪もあったけど、2時間半ほどで目的の渓谷へ。

氷瀑が見事。
渓谷ではこの景色がパノラマで現れる。

絶景とはこの事を言うんだろう。
普段はツアーなんかも多いらしいけど、大寒波の今日ばかりは人が少ない。

景色に圧倒されながら、しばらく渓谷周辺を歩く。

まだ知らない場所がある。
想像もつかない景色がある。
それはなんて素晴らしいことだろう。

さあ、帰ろう。新雪を楽しみながら。