理想と現実の狭間で

「12月20日か、もうすぐで今年も終わりだなぁ。本当、一年ってあっという間」

「先週は出張で遊びに出かけられなかったし、そのまま週末も仕事出ちゃったしな」

「ああ、キャンプ行きたい」
「どうしたワン？」

「いや、なかなかキャンプ行けてなくてさ。今日あたり天気もいいし、行こうと思ってるんだよ」
「それはいいワンね。お供するワン」
「なになに、出かけるのかワン？」

「久しぶりにキャンプ行こうと思ってさ」
「ああ、それはいいワンね。実は僕も企画中のキャンプがあるワン」
「一緒に行くワ〜ン」
「よお、キャンプ行くんだって？ 丁度やりたいキャンプあるんだよ……っておいおい、みんな行くのかい？」

「場所はどこにするワン？」
「そうだなぁ、寝坊しちゃったから近場にしようかと思ってるんだけど……」

「1、2時間の場所なら楽だよな」
「僕はあれを試したいワンね」
「どのテント持って行こうか？」
「いやーすっかり寒くなってきたワンね」
「元気かい？」
「温泉の近くがいいワンね」

「ちょっと待て！」

「「その声は……！」」

「「「しゃ、、社長！！」」」

「みんながキャンプに行きたい気持ちは分かる。私だって行きたいからな。ただ、よく考えてみろ。もうすぐ一年の終わり。部屋の整理整頓と片付け。タイヤ交換に旅の計画。などなど、やることがたくさん残ってないか？」

「た、確かに……」
「そういえば部屋もすっかり散らかってるワンね……」
「今月、まだ水道料金払ってないや……」
「タイヤも変えてなかったぜ……」
「せっかくの休みだけど、家のことも大事だワンねー」

こうして今日は、キャンプに行きたい衝動を強く抑え込んで、まずは部屋の大掃除中。
明日は道具類の整理もしようっと！