自然の洗礼.

バックパックで滝沢園へ2泊。

この日は1㎜の雨が一日中降る予報だったが、見事に外れた。

何となくそんな気がしていたので、それ見たことかとニヤけ面でキャンプ場へと続く橋を渡る。

さすが夏。汗を掻きながらの設営もこのカリマーの冷涼タオルが癒してくれる。

これももう3シーズン使っているので、雑誌の付録としては十分元を取れたと思う。

設営終わりは、火照った身体を冷やすのに川に浸かると至福のひと時。

少し早めのランチは、冷やしかき揚げうどん。

板氷の上にうどんを乗せているので、キンキンに冷えてめちゃくちゃ美味い。

午後も川に入ったり、いつものように足だけ浸けてゴロゴロしたりして過ごす。

14時頃、ふとウトウトから目を開けると一気に曇り空が広がっている。

嫌な予感がして、一応トイレだけ済ますと遠くで雷鳴がした。

そこからはほんの一瞬の出来事だった。振り出しから大粒の雨が落ちて来たので、ギアをテント内に移動していると、

信じられないくらいの雷と大雨。全く予報には無かった。

ほんの1時間ほどで2本あった橋は一気に流されてしまった。

こんなに多くの雷鳴を聞いた事はないほどの雷と雨。

台風でもこの雨量はなかなか無いだろう。ただ風が無かったのは救い。

橋も流され、飲み水も限られていたのでこれけっこうヤバいやつだなぁとひたすら耐え忍ぶ。

耐え忍ぶと言ってもある意味仕方がないので、幕内で映画を観るが雷とテントを叩く雨音で何も聞こえず。

とりあえず夕食を作るが、ギアで溢れた全室はすごく調理し難く、盛り合わせが適当。

夏野菜カレーとオニオンスープ。カレーはいつだって美味い。

水が無いこんな時に限ってカレーの献立と、しかも大辛味。

22時頃には雨はほぼ上がり、何とか無事に耐える事が出来た。

朝、ニヤけ面で橋を渡った自分を引っ叩きたい。

翌朝3時半に起きるも、朝活ピンポイントで雨。

何だかなぁと10時頃まで寝る。

起きてからはテントの泥跳ね等の掃除作業に追われる。

午前中に管理人が橋の一本は復旧してくれたが、この橋が一瞬で流されたのかと思うと、自然の脅威を思い知る。

昼食はナスとパプリカのボロネーゼにアボカドトマトのサラダ、それにポタージュを。

かなり大きなショックだったのは、僕にとって必須ギアの１つであるこのランタンポールの先端を川に流してしまったこと。

泥を川で落としていたら、やるぞやるぞーとわかっていたのに先端だけポロリと川に流され一気に行方不明。

本当、自分が嫌になった。

諦めきれず撤収まで何度も探すが、とうとう見つける事はなかった。

日中はいつだって降るんじゃないかと思うような曇りの1日。

まるで僕の心を移したような空だった。

とは言えもう仕方がないので、オヤツに焼きモロコシ。

もう少し焦げ目が欲しかったところ。

昨日、全く出来なかった焚き火をして過ごす。

今年の夏は何か湿気た感じだったなぁと、

夏の終わりを蝉の鳴き声を聴きながら寂しく思う。

夕飯は白米を炊いて、ぶり大根に冷奴とオクラのお新香に味噌汁。

和食は手間がかかるけど、その分めちゃくちゃ美味く感じる。

昨夜と違う、曇りではあるが穏やかな夜を焚き火をしながらまったり過ごす。

翌朝は3時半起き。もうこの時期だと夜明けは4時半。

朝食は昨夜のぶり大根と、お新香に納豆と味噌汁を。

2日目の煮物はかなり美味い。

こうして撤収を迎える訳だが、自然の脅威を久しぶりに体感したキャンプ。

失うギアはあったけど、大きく得る物はあったようなキャンプだった。

残暑はあるのかなぁと、次のキャンプにまだ夏の面影を期待しつつ帰路につく。