SNOW.

2月上旬、バックパックでふもとへ2泊。

この頃、定期的に訪れる富士山見たい病に侵され我慢出来ずの富士キャン。

行きの高速バスからも富士山はご機嫌。

河口湖駅でも空は青く気持ちが良い。

一年振りのふもとっぱら。

これを書いている3月中旬から、1ヶ月前の事なので細かい事は覚えていない。

とりあえずは設営を終わらせ一服。

設営場所に歩いて来るとき、何気に挨拶をした撤収中の若いカップルが、車に載せられないからとこんなに薪をくれた。

スタートからとても嬉しく、挨拶って大切だなぁと改めて思ったり。

昼食はドカーンとステーキ乗せガーリックライスにポタージュ。仰け反る美味さだった。

バックパック時のゴミ箱事情。

僕はダイソーで買ったこのレザー調の小物入れに、スーパーで無料の透明なビニール袋を入れて使う。

ペチャンコになるので、パッキングにも最適。

2月の平日でもそこそこ入るふもとも今日は空いている。

それもそのハズ。この夜から24時間強めに雪の降る予報。

午後は散歩したり、食堂に朝霧ソフトを食べに行ったり。

昼寝してから焚き火開始。当然この頃はけっこうな冷え込みだった。

霊峰富士。きっと本当に何か魔力が出てるに違いない。

そう思わされるような光景だった。

夕飯は鱈鍋。シンプルにしようと思ったら、食材が少なすぎてちょっと失敗。

でも温まるし、鱈は間違いない美味さだった。

〆の雑炊が完璧な美味さ。

こうして夜を過ごし、22時頃から雪を迎える。

翌朝、前日の晴れの穏やかさとは打って変わって別世界。

風も強く吹雪いていて、これが深夜まで続くのかと。

こうなる事は承知の上だったので、バックパックでこれかと心躍る。

朝食はテント内で。

イングリッシュマフィンに、オムレツと厚切りベーコンにポタージュを。

このマフィン、フルーツグラノーラが入っていてそれにクリームチーズとミックスナッツ、それにハチミツをかけて至高の味に。

もうこの日は散歩もままならないので、たまに雪掻きをしながらも野外活動は初めからするつもりは無く、

テント内で映画を観て過ごした。

バックパックで雪中キャンプをしてみたかったので、夢の一つが叶った。

雪がある風景って、何処かロマンチックに感じる。

夕飯もテント内で鷄の水炊き。

〆うどんで昇天。

翌朝5時起きで朝活。陣幕も雪に埋もれていた。

朝方にはずっと振り続けた雪も止み、富士山も顔を出していた。

雪掻きをして焚き火開始。とても貴重な経験だった。

こんなに降って積もると半ばわかっていたのに、タープを持たずに地べたスタイルを貫く。

そんな小さな意地と拘り。

この経験をいつか息子に話すのが、今からの楽しみの１つ。

前夜の吹雪を乗り越えた日の出は、どこか神秘的にさえ思えた。

ただここからが1番の試練だった。風が強く、雪上のパウダースノーが氷と化し横殴りで舞い続ける。

その中でカレーモントレーを仕込み、

モーニングプレートを作るが、舞う氷で一瞬で冷める。

スタックした車を助けたり、風と氷の中での撤収は思い出深いものだった。

チェックアウト前に〆ソフト。

帰りの河口湖駅で、バスの待ち時間にほうとう不動でほうとうを。

晴れ→雪→晴れ。キャンパーとして絶好の冬キャンを過ごせた。

それともう一つ。

撤収中、僕の真後ろにいたカップルと挨拶したり、雪大変ですねーとか、バックパックで来てるんですかとか。

帰る時には、車で送りますよと言ってくれたけど、車内を汚すのも悪いし、この雪中キャンプを歩いて成し遂げたかったので気持ちだけ頂いた。

後日、僕をインスタで見つけてくれて、あの日の僕を見て元々興味のあったバックパックキャンプを近々デビューするとDMをくれた。

こんなに嬉しい事はない。

ただ何気ない挨拶。それでもその人の人生に一歩踏み入れているのだろうか。

例えばそれが良い一歩で、その人の人生に何か良い影響を与える事が出来たのなら、それだけでもこうしてバックパックをやる価値や、生きる意味がそこにあるのではないだろうか。