命の在り方.

滝沢園にバックパックで2泊。

当初の予定では、カヤックを持って菖蒲ヶ浜に3泊、中禅寺湖をカヤックで横断して千手が浜に上陸し、トレッキングをしようかなと計画していたが、

奥日光の天気予報がイマイチだったので急遽ここへ。

日光へ行きたくて残念だったけれど、今思えばそれで良かった。

着いた滝沢園では、台風など連日の雨で川が増水したようで、橋が流されサイトに渡れないと言う。

自己責任でザックを背負ったまま川を渡り何とかイン。

雨で避難したのか、橋が流され撤収出来なかったのか、

シートで保護はされているが、とりあえずそのままになっているサイトが痛々しかった。

確かに流木や地面の水が流れた跡を見ると、ここまで増水したのかと怖さを覚える。

ただ流木は拾い放題。前日もけっこう雨が降ったようで乾かす。

後に若いスタッフの方に、ここは採取禁止なのでこれだけにして下さいねと注意される。

知らなかったとはいえごめんなさい。

滝沢園は直火OKなのだが、今回は訳あってTokyo Campの焚き火台を使用&レビューしなければならなかった。

サクッと設営。新幕のmuracoはまだ張り慣れない。

夏は川が好きだ。川の音と蝉の鳴き声が堪らない。

昼食はワカメスープを作って、

焼肉。何回か前のキャンプから、凝った料理も美味いのだが、簡単に肉を焼いて喰う、これが最も美味いのではと思い始めた。

午後には2本ある内、1本の橋は復旧して良かった。

14時頃からにわか雨があり、雨宿りしながらボケーっとうたた寝。

早めの夕飯にはチョレギサラダ、

それにホルモン丼の簡単メニュー。だがこれが楽だし、美味いの何のって。

夜は新しい焚火台をいろいろイジリながらまったり焚火。

川から来る風が涼しくて、秋くらいの気候で気持ち良い。

サイトはテントが、まるっと替わっただけで何も変わらず。

最近、何気に持って来ていたルミエールはすっかりレギュラーメンバーに。

月明かりがとても綺麗で、気持ちの良い白い夜。

びっくりしたのは、この蝉の幼虫。

早起きするし早く寝ようかなと、そんな時

焚火台の下からトコトコ僕に向かって歩いて来た。

こんな事は初めてで、こっちじゃないよと木に登らせてあげた。

そんな事があると、寝ようと思っていたのに眠れず。

親心が芽生えて5分も待てず様子を見てしまう。

蝉は頑張って登り続けてる。

調べて見ると、蝉が羽化するのに2〜3時間かかるようで、さすがに待てないなぁと見えなくなるまで見送っておやすみなさい。

翌朝は3時半起き。日が登るのもだいぶ遅くなった。

朝のオイルランタンがムードあって好き。

朝焼けが綺麗で、これだから朝活は辞められない。

朝おやつにトウモロコシを焼いて食す。

いつもなら早めの朝食にする所だが、寝不足が続いていたので日が登りテント内で暑くなるまで寝ようと2度寝を。

9時ごろ起きて朝食を。

チーズフレンチトーストにいつものモーニングプレート。

フレンチトーストから流れ出すチーズが抜群に美味しかった。

今度、妻にも作ってあげよう。

地べたスタイルだと、いろいろな虫など自然の流れを近く見るけど、昨夜の蝉のように今度はスズメバチが僕へ向かって歩いてくる。

これには悪い方のビックリで慌てて立ち上がった。

どうやら羽を痛めているらしく、上手く飛べないようだ。

その後何処かへ歩き去ったが、せめて巣の近くまで行けると良いが‥。

クーラーを退けたらカニさんもいたね。

昨日見送った蝉の幼虫辺りで、元気に蝉が鳴いていた。

そうなのかもしれないし、違うかもしれない。でも何だか嬉しかった。

午前中は見事な夏晴れで、川に入って涼んでは木陰でまったりしたりと夏を満喫した。

昼過ぎから昼寝を。

夕方起きてビックリ。昨日はほぼ完ソロ状態だったのに、周りを囲まれるほどテントが数張り立っていた。

夕食はピザーラのカレーモントレーを再現してみる。

余ったコーン缶でバターコーンも。

これが見事に再現出来て、歴代でも指折りな美味しさだった。

2枚目のシーフードピザを焼いている時に妻から電話が。

ソロの時はいつも気を遣って妻からは連絡して来ないのに、何だろうと思って電話に出ると‥

昨年、癌手術をしたワンズ♀の突然の訃報を知らされる。

癌が肺に転移していて、ここ最近通院をしていたが、キャンプ前日僕が病院に連れて行った時は数ヶ月先のハズだったのに。

ここから先の写真は撮っていない。シーフードピザの味も、何を感じて何を思ったのかも覚えていない。

飼う時にこの時の事は覚悟の上だったので、冷静ではいたのだが。

こんなキャンプがあるのか。

聞けば妻も娘も外出中に息を引き取ったのだという。

今思えば、彼女は家族みんなを悲しがらせないように、パパが好きな時間を過ごしているその時に死に目を見せなかったのだと。

何も覚えていないけど、いつになくこの夜は焚火をやめられなかった。

もちろんいつだって心の中にいるけど、焚火を見るたび君を思い出すよ。

ただ命の在り方が変わっただけ。命が死ぬとき、それは忘れ去られた時。

僕は君を忘れない。ありがとう。さようなら。

きっといつかどこかでまた会えるよ。