未知の国でキャンプと入院3
未知の国、トルクメニスタンで食中毒になり病院送りになってしまった。
入院は避けたいがどう考えてもこのまま走るのは無理だろうな。
医者らしき人が出てきた。看護婦が2人もついている。非常にひまそう・・・
手にはタライとコップを持ってきた。コップの水になにか粉を入れ「これを飲め!」という。
薬かなと思ったら、これのタライに全部吐き出せ!という。吐き気を誘発する薬のようだ。
これって治療なの?ずいぶん吐いてしまったので出るものがほとんどない。残っているのは唾と涙しか出ない。
何度も使いまわしされた油で揚げたサモサを食べるんじゃなかったと後悔・・・
室内にはトイレがなく、外を指さす。フラフラしながら外のトイレ棟に行くとなんとボットン便所⁈
ああ、えらいところに入院してしまった。
点滴も打ってくれたので次の日には少し回復した。まだ完治はしていないがこんなところで寝てる場合じゃない。
トランジットビザは10日間あるが先を急がなければ・・・。
お金を払い診断書を書いてくれと言っても書いてくれない。では20ドルにしておくからと言われた。
治療代をまけてくれる病院は聞いたことないわ!
診断書があれば旅行保険がおりるので書いてくれと言ってもなかなか書いてくれない。
どうやら診断書を書くと証拠が残るのでネコババできないのであろう。どうしても袖の下のお金にしたいみたいだ。
病院の先生でも給料はすごく安いようだ。
とにかく強引に自主退院して走り出す。気持ちは焦っている。
何も食べてないのと暑さにやられ10km走るだけでとフラフラする。その日は何も食べず道端の草原にテントを張った。
10kmしか進まない。ヤバイこのままでは間に合わない・・・。
次の日の朝、さらに体調は回復、長年使っているMSRウィスパーライトで米を炊きおかゆを作り何とか食べて出発。食べることができるとパワーが出てくる。
走行距離も日に日に伸びていく。日中は湿度は低いが温度がヤバイ。39度まで上がる 暑い・・・。
それから数日間は夜明け前の薄暗い時間からスタートし正午には走行を切り上げ草原で木を探し木陰でひたすら休んだ。
タイムリミットのある走行はめちゃくちゃつらい。まさにタイムトライアル。もうキャンプする場所を探すのもめんどくさくなり道端の目立つところでキャンプすることもあった。
終盤はコンスタントに80kmずつ刻み、期限ぎりぎりで出国。なんとかトルクメニスタンを走り切ることができた。
次はウズベキスタンだ~
⛺️おしまい⛺️
豆知識
※トルクメニスタンでは2018年まで家賃・学費・公共料金がほぼ無料だったが、2019年に入り天然ガスの価格が低迷。通貨マナトの価値はこの1年で半値に急落し、2018年ついに経済危機に陥った。
同様に食糧の価格も上昇し、電気やガス、水道代金の無料利用も完全に廃止された。
※キャンプ事情としてはトルクメニスタンで僕が進んだ道にはキャンプ場らしき施設はなかった。道端やロードハウス(写真のような広場があるレストラン)などでテントを張らせてもらった。
※数年後、この近道情報を手書きのコマ地図として残し、妻がひとりでトルクメニスタンを通過。この時は5日しかビザをもらえなくて妻は5日間で走り切った。
僕よりタフかも…
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mamis
もぉ読むたびにビックリ‼️なことが💦 奥様が地図片手に❓❓ ご結婚された後になの❓ 出会う前なの❓❓ もぉ気になって仕方ない😅
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あっちん
ほぅ…🍵✨ (3部作を読み終えた満足感と余韻を楽しんでおりますw) 海外での病気はかなり心細いでしょうね😨 しかも先を急がなければならない時に❗️😱 ご無事で生還されこうやって旅行記を拝見できてほんとーに良かったです‼️😆🙌 この旅が奥様とのご縁を取り持ってくれたんですね。なんか素敵💕
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めぐらいだー
えー😱全回復でないのに出発したって事が凄すぎます🤣❗️❗️❗️世界はすごいって改めて思います😆 で、続いて奥様😵やっぱり女子は強いんですね✨タフな奥様が素敵です😍
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tomayu
え、奥さん……すご(笑) 1人でってとこも凄すぎます😱
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みすず
3部読み終えました。 読み応えのある記事ありがとうございます😊 すごく新鮮です!! でも、色んなシーンでの恐怖感や不安感はどう処理されるんですか?海外…しかも途上国での入院や処置、怖いです😱 奥様のタフさには、もっともーっと驚愕です笑
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みすず
アドベンチャーレースって、超絶過酷なやつですよね?寝ずに、道なき道を突き進むやつ。 クレイジージャーニーで田中正人さんのレースの密着見て知りました。 奥様あの競技されてたんですか😳😳😳 そりゃぁお強いワケですね😆お腹も🤣🤣
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Usa
ども! いやーすごい😳 読み応えが異次元す笑 やっぱり奥さんも只者ではありませんね👀‼️
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気球
穴虫さん以上に奥様はストロングなんですね😆 私も海外ではインドで親知らず🦷が痛くなって歯医者に行ったことありますが助手が明らかに歯医者の息子の小学生くらいの子だったのでビクビクしてたのを思い出しました🤣