透明な世界にいるのかも知れない
冬の山を登ろう。雪積もる山を行こう。
いつかきっとと憧れて、それが実現した話。
まずは日帰りから。
厳冬期最初の山に選んだのは百名山にも数えられる武尊山。
ここは川場スキー場からリフトで中腹まで上がることができるし、都内から車で2時間半程度なので早朝に自宅を出発しても十分に楽しめる。
リフトが動き出す朝8時過ぎにスキー場に到着。
センターハウスには、スキーやスノーボード客に混ざって登山客もチラホラ。
登山届け、下山届けが必須で、ココヘリというヘリ捜索サービスも登録が義務化されてる。
往復のリフト代も支払って、いざリフトへ。
今回の装備は日帰りなので軽量。初めて使うピッケルと、一緒に登る友人のスノープラックを背負う。
リフトを2つ乗り継いで登山口へ。
登山開始はなんだかんだで9時頃だったように思う。
いきなり雪が深く、これまた知人が持ってきてくれたスノーシューを履く。
前のパーティーがつけた踏み跡にスノーシューがうまくはまらず、余計に辛い。
少し上がって、結局スノーシューは外した。
スノーシューは初めてだったから、なかなか楽しかった。
アイゼンに付け直して登山再開。良く晴れた冬の冷たい空気が気持ち良い。
登り始めると暑く、少しの休憩で寒くなる。これが冬の登山か。
慣れないアイゼンをゲイターに引っ掛けて、2度転んだ。どちらもなだらかで広めの道を油断して歩いていた時だ。アイゼンでの歩き方にも慣れないとな。
時に深い雪の中を進む。踏み跡がしっかりついているものの、ズルズルと滑る箇所もある。
今日は登山日和。青い空と白い雪のコントラストが美しい。
武尊山までに一度剣ヶ峰というピークを通る。手前の祠の奥に見えるのが剣ヶ峰。剣ヶ峰直前はどうやら急登だ。
剣ヶ峰に着いた。この先は急な下り。岩も少し出てる。12本爪のアイゼンの威力を知る。
アイゼンにも慣れてきて、気持ち良い稜線を歩く。
こんな爽快感は雪山ならではなんだろう。
ダイソーで買った100円の偏光サングラスを掛けたら、友人におもちゃみたいだと笑われた。おもちゃより安いから、おもちゃに失礼だ。
それでも偏光の効果の程はなかなかで、雪山でしかサングラスを使わない自分には十分。
木にまとわりついた雪がお菓子のよう。
奥に見えるのが武尊山。
天空の雪原を歩くような心地。
音もなく、色もなく。
「もしかすると透明な世界にいるのかも知れない」と思ってしまう。
時折アイスモンスターが現れる。
この時期ならではの景色。
雪が深い登りが続くとあっという間に暑くなる。
とにかく冷えないように体温調節を心がける。
山頂が見えた。
最後の登りはきついけど、これで終わりと思うと少しさびしい。
山頂には次々に登頂した人が集まってきた。
リフトの始発と最終が決まっているので、大体みんな同じようなスケジュールになるんだろう。
山頂でやりたいことがあった。
温かいココアにマシュマロを楽しみたい。
寒い中では格別だろうと、お気に入りのIKEAの水筒にココアを入れてきた。
……ぬるい。いや、冷たくはないのほうが正確か。
まあいいや、ココアの甘さは身に染みたし、冷えたマシュマロも悪くなかったし。
自作のピッケルリーシュは構造を色々考えて作ったのが幸いして便利だった。
ピッケルはDMMのものだけど、18禁とはたぶん無関係。
さあ下ろう。帰りのほうが景色が素晴らしい。
足に少し疲れがきてるけど、少し目線を上げれば景色に救われる。
登山口まで戻り、リフトへ。
下りのリフトに乗る特別感。
下山報告をしてココヘリとリフト券を返す。これがココヘリ。ポケットの中に安心があった。
カツとチーズインハンバーグと唐揚げが載った腕白過ぎるカレーを食べて締め。
雪山の素晴らしさを知った、記念すべき登山だった。
自分の世界がまた少し広がって、行ってみたいと思える場所が増えた。
少しずつ広く、少しずつ深く。
いくつになっても憧れを持ち続けていたい。
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ワイン好き
雪山と青空のコントラストが只々素晴らしく美しいです。✨ 雪山は白一色でルートを見失いそう、ココヘリが必須なのもうなづけます。😅
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opoyopoi
おもちゃより安いからおもちゃに失礼だw ちなみに撮影は📷ですか?耐寒性とかレンズのレポもお願いします🙇🏻♂️ あとザックの中身も気になります😎
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Tatsuya Amada
おぉ、素晴らしい! 美しい世界です。
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kibe
うらやましい✨雪山憧れます、九州は暖冬で雪が少ないです😂
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hirozou
美しい 青と白の世界 何度も見たくなる景色です
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fu.u
良い天気でしたね!眼下に見下ろした白銀の山々に心が震えましたw やっぱり冬山も格別に良いですね👍
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気球
私も山に憧れてゲイター買ってたの忘れてました💦 いつか挑戦したいです😆 ピッケル⛏のブランド… いろいろな使い方が出来そうですね😎