八ヶ岳縦走2019/11

*超長文レポートです。

秋の3連休はかねてから計画していた八ヶ岳の稜線縦走へ行ってきました。9月から行こう行こうと思っていましたが、週末天候不良だったり、トドメに10月の台風で中央道通行止めになったり、積雪期前ギリギリとなってしまいました。

Day1:
超久しぶりの天気が良い連休とあって、5:30ごろに自宅を出発しようとすると、首都高も中央道も渋滞が始まっていたので、やむを得ず圏央道から関越で佐久経由にて登山口の舟山十字路までやってきました。初日ゴールの青年小屋まで計3時間くらいはかかるはずなので焦ります。

遠回りしたせいでスタート時刻が昼12時になってしまい、早速西岳へのルートをさがしますが、結論から言うとこのルートは廃道でした。標識は一切無し、登り口の表示も無し。GPSを頼りに地図上のルート通りに稜線まで歩きましたが、踏み跡がほぼ消えかかっていて倒木だらけで小さい沢の渡河有り。地図にはしっかり載っているんですが、誰も歩かないようです。

道に迷うとこの後の計画が台無しになるので、数分おきにGPSを確認しながらなんとか西岳の尾根に出ることができました。ここからあとは登るだけ。なのですが、西岳という山は単体で登る人が少ないらしく、道は荒れています。最初の登りはなだらかですが、標高2000mくらいから急登になってきました。森が深くて景観がないので精神的につかれます。

スタートが遅かったので心配でしたが、3時頃西岳登頂。山頂は眺望が良いです。ここから2年前に訪れた青年小屋を目視することができ、なんとか日没前にゴールできるであろうと一安心。

青年小屋直下の水場の横が壮大に土砂崩れを起こしていました。以前はただの森だったところです。水場はギリギリ無事だったので水を補給。

4時くらいに青年小屋到着。テント泊600円也です。テントを張ってからビールを買ってフリーズドライチャーハンを食し就寝。今回はシュラフに化繊激重モンベルバロウバッグ#0を持ってきました。重量2kg也ですが、-9℃でも快適らしい?ので朝までぐっすり熟睡できました。気温は0から-1℃程度だったのでオーバースペック感否めません(笑) まあでも昨年の縦走ではバロウバッグ#2で寒かったので、寝れないよりは重い方がまだましです。

Day2:
青年小屋〜権現岳〜キレット小屋〜赤岳〜阿弥陀岳と主要な稜線を行けるところまで歩く予定です。朝7時に出発し1時間ちょっとで権現小屋および権現岳に到着。権現小屋は営業終了していました。

ここまでは来たことがあるのでなんということはないのですが、この先は自分的に正念場です。権現岳までは登山者がかなり多数いましたが、ほとんどの方は一斉に引き返していき、ごく少数のパーティ(と私)がキレット小屋目指して権現岳を出発しました。(権現岳から赤岳へ向かうともう一泊しないと下山できないため)

そしてキレット小屋へ向かう初っ端はいきなり数十メートルの梯子の洗礼。しっかり整備されているようでぐらつきはほとんどなく、それほど怖くはありません。

それよりも前方の赤岳南斜面がとんでもなく急登なので心配になってきました。写真で見る右側のくぼみを登り、その後2つの偽ピークを越えていく必要があります。

この時点で歩くペースはコースタイムジャストくらいでしたが、なんとかキレット小屋到着。カロリーメイトを食べ、コーヒーを飲んで休憩し、気合いを入れ直して赤岳山頂をめざしました。

キレット小屋出発から数十分でガレガレの岩場となります。しかも両手を使って体を持ち上げないと登れないレベルの急斜面。さらにどの岩にも亀裂が入っていてホールドにしようとするとグラグラするものもあり、正直に言って天候不良の時や体力が万全でない時は危険です。

そして短い梯子のすぐ先が山頂である、という情報も事前に知っていたのですが、偽ピークの下は何個も短い梯子があり、まだなのか!と気力を削られます(笑) このルートは休憩するような場所は皆無で、ザックが重いのでふとももの筋肉がプルプルとなり、山頂直下は超スローペースとなってしまいました。昼1時頃無事登頂 。

昼飯は抜きでそうそうに今回のメインテーマである阿弥陀岳に向かいます。ここからは何回も通っているので阿弥陀岳直下まで早かったです。眼下に行者小屋を眺めつつ、先を急ぎます。

昨年撤退した頂上直下の岩場で記念撮影。雪がついていたら怖くて登れないですね。。。落ちたら止められないです。

赤岳南壁に比べると大したことのない岩場でしたが、この頃には足の筋肉が限界に近い疲労で、ほぼおじいさんレベルのペースでした。気力を振り絞って3時頃、念願の阿弥陀岳登頂。山頂はかなり広く、阿弥陀の石像があります。

ここまで無心の登山でしたが、今まで歩いてきたピークを見渡しながら、我ながら物好きな人間だな!
と感慨にひたってしまいました。この瞬間だけ気分はなんちゃって登山家。

そうこうしているうちに3:30くらいになってしまったので、スタート地点のできるだけ近くまで降り、ビバークすることにしました。しかし御小屋尾根も頂上直下は一筋縄ではいかない急斜面です。ツルツルの岩場には真新しいロープが張ってあったので使わせてもらい、手を使って降りました。他にも梯子と鎖のコンビネーションで、一枚岩を乗り越える箇所などがあり、集中力を切らさないよう慎重に下山。

標高2300mくらいまでは急斜面の連続でしたが、その後はなだらかな森林地帯の尾根です。4:30頃水場の手前にてビバーク。とはいえ、食料、水、酒、全てキープしてあったので、テント内でラーメンを食し、ウィスキーを飲みながら快適に就寝。ちなみに携帯の電波はドコモがギリギリ入るのでメール送信程度はできます。auは電波が表示されるが何も接続できない状態でした。

*キャンプ指定地ではありませんが、あくまでも日が暮れてしまったための緊急ビバークとご理解ください。

Day3:
激重バロウバッグ#0のおかげで朝まで熟睡し、朝食代わりのおやつを食べ下山開始しました。あとはなだらかな尾根を下るだけなので気が楽です。高度を下げていくと、道はふかふかの草に覆われ、なにかのCMに出てきそうな爽やかな道へとなっていきます。

温泉に早く入りたいので急ぎめで下り、朝9時に無事、舟山十字路へ帰還。すぐ近くにあるもみの湯でリフレッシュした後で、帰路へつきました。帰りも連休渋滞でしたが、夕方頃無事帰宅。

今回の山行は体力的にハードでしたが、自給自足でテント泊にこだわるならば、体力作りとさらなる軽量化の両方面での工夫が必要だなと痛感しました。普段は特にトレーニングとかしてないので、身体的には昨年より衰えているのでしょう(笑)

なんの役にも立ちませんが、この山行にて八ヶ岳の全ピーク登頂とピーク間をつなぐ全ての稜線の走破が完了しました。八ヶ岳は色々なコース選べて飽きないですね。冬にもまた行きます!

そして快く旅に送り出してくれた妻に感謝。