KT ALPS CAMP DAY1-3
お盆休みを使って、いつか行ってみたいと思っていた北アルプス深部、雲ノ平にキャンプへ行く計画を立てた。
5泊6日と、長い山行になったけど、とても天気に恵まれた良い時間を過ごすことができた。
1日目から3日目までの記録。
DAY1:8.10 松本-新穂高温泉-わさび平小屋
漠然と行きたいなーと思って無計画でいたら盆休み前日になってしまい、慌ててルート計画を立てた。
盆休み初日、早朝の電車に乗り、まずは松本までJR、その後バスで新穂高温泉へ。
どちらもなんの予約もしてなかったけど意外となんとかなるもので、なんとかなった。
初日はわさび平小屋のテント場でキャンプする。
新穂高温泉からは1時間半くらいなので移動着のアロハシャツとサンダルのまま歩き出した。
ところがサンダル履きが悪かったのか、キャンプ場へ着くまではただの林道歩きなのに、なんと両足のふくらはぎを攣ってしまい、今後の行程がいきなり思いやられる。
でもまぁとりあえずテント建ててビール飲んでひとやすみ。
わさび平小屋のキャンプ場は自分と同じく翌日から旅立つであろう人たちと、旅を終えた人たちで混雑していた。
山の中ではこうしたすれ違いが各場所で起こるのだけど、すれ違う人たちのこれまで行程や、
これからどこへ行くのかに毎度思いを馳せてしまう。
この小屋の売店はすごく充実していて、飲み物はもちろん野菜から果物まであった。
そうめんも美味しそうだったけどまだ初日ということもあったので、あんまりお腹に入れておかない方がいいなと、トマトときゅうりを食べたらとても美味しかった。
ネクター飲んでテントでゴロンとしてたら晩御飯も食べずに寝落ちしてしまっていた。
寝落ちから目覚めるとあたりは真っ暗で、周りのテントの灯りもすでに消えていた。
テント場の夜は早い。
外に出ると月が木の隙間からのぞいていたので重い思いをしてもってきた三脚を使って写真を撮る。
三脚についてはパッキングに含めるか悩んだけど、持ってきてよかったもののひとつ。
DAY2:8.11 わさび平小屋-鏡平山荘
暗いうちから片付けを始めて、今日の行程に備えた。
昨日のテント場までの歩きでいきなりふくらはぎに不安を抱えていたため、必要以上にゆっくりと歩くようにしたが、途中の沢に出るところですでに太ももあたりが攣り始めていた。
体重(100kg!?)と必要以上の荷物の重さ(ultra heavy!!)と日頃の運動不足と、あらゆる要因が自分を(ていうか足を)痛めつけてるのだろう。
手持ちのエナジージェルやら塩飴やら注入し、休憩してる方が長いんじゃないかレベルに休みながら攣り続ける足をだましだまし前に。
本来の中間地点である鏡平山荘についた時点で心はとっくに折れていた。
途中からカメラはザックにしまっていたため、
素晴らしい鏡池の写真を適当にiPhoneで撮影して山小屋のベンチにへたりこむ。
しばし鏡平山荘のベンチでへたり込み、ビクビクしてまともに歩けない足でコーラを購入。このコーラがほんとーに美味しかった。渡辺正行(from コント赤信号)ばりに一気に飲み干し、今後のことを考える。
心はとっくに折れていたけど本来の目的地はさらに2時間以上の道のり。そのうち半分が登り、、ということで考えるふりだけして人生初の山小屋泊に決定。
旅の序盤でお金も時間もまだ余裕がある。そうと決まれば腹ごしらえ、って事でラーメンと名物のかき氷をいただく。
慣れない山小屋で時間を持て余しながらゴロゴロしてたら布団のダニ?に足をボコボコにされた。
ウトウトしてから夜は持参したリフィルのインスタントそば。かっこよくて重たいアナルコカップとLueのお箸で。
となりに座った中年夫婦にひたすらマウンティングを仕掛ける金もちそうなババァのマシンガントークに耳を傾けながらの食事を済ませてそそくさと寝床へ。
いびきかきませんように。。しかし山小屋の便利さたるや。乾燥室にポットにお湯まで完備。ありがたし。
DAY3:8.12 鏡平山荘-双六小屋-三俣蓮華岳キャンプ場
すっかり先行き不安になった自分に出来る、体力がなくてもできる唯一の技、、それは早起き。
まだ暗いうちに目覚めると前日に使い物にならなくなった両足は若干の張り感はあるものの、ある程度回復していた。
ドラクエで宿屋に泊まるだけでHP回復するかよ、と思っていたけど案外回復するもんだ。まだ起きてる人も少ないのであまり音を立てないようにそそくさと荷物をまとめて世話になった山小屋をあとにした。
少し戻ることになるけど、前日は途中からガスってしまった鏡池へ行くとそれはそれは綺麗な星空が広がっていた。
槍ヶ岳のシルエットもばっちり見えるし、星空が池の水面に綺麗に反射していて身体の上下から星空に包まれているようだった。
しばらく写真を撮っていたら空が明るくなり、星空も鳴りを潜めていく。タイミングがよかったみたいで、ここでの停滞も悪くなかったと思えた。
覚悟を決めて意識的ヨチヨチ歩きで登りに取り掛かかるとしばらくして朝がきた。さっきまでいた鏡池が森の中で空を見上げている。
ここの登りは蚊がものすごくて、ひとたび立ち止まろうものなら貧血を起こすんじゃないかというほど沢山の蚊に痒みと引き換えの血液を提供することになる。
歩きながら朝ごはんのトレイルバターを水で流し込むように飲み込んだ。ここに来てやっと念願の稜線歩きになり、気持ちよく歩きながら気がつくと昨日の目的地、双六小屋のテント場が見えてきた。
早起きの甲斐もあり、双六小屋のテント場についてもまだたくさんのテントが残っていて、皆一様にこれからの支度をしていた。
なにやら昨日はテント場、小屋共にものすごい混雑をしていたそうだ。鏡平山荘泊はいろんな意味で正解だったかもしれない。とヘタレた自分を正当化する。
とりあえず本来は昨日のうちに到達すべき目的地に着いたことで気持ち的に少しゆとりができたのでモーニングコーラをキメる。
雲海が綺麗だった。
これからの登りのルートを見ていたら中学生くらいの爽やかな若者二人組が前を通り過ぎた。「なぁ、お前知ってるか?鼻の穴がでかいとキンタマもデカいんだぜ!」
朝の爽やかな時間を過ごせたのでポカリを購入して先を急ぐことにする。
脚の攣りの原因は汗かきすぎて電解質不足が考えられるとスマホで調べた。水だけ飲んでりゃいいかと思ってたわ、、
400円もする高級ポカリをいろはすボトルへ移し変え、ポカリのペットボトルは購入した山小屋で捨てる。
この儀式は最終日まで続くことになるが、最後までいろはすボトルは壊れることなく耐え切ってくれた影のMVPである。
ちなみに今回の旅の足元はonの防水スニーカー。テント泊装備+ヘビーウェイト(略してデブ)な自分でも快適に歩けたがこの辺は検討の余地ありかもしれない。
結果的にノートラブルで歩き通すことはできた。
そうこうしてるうちに双六岳の分岐に。
この分岐は上中下と3つのルートがあり、上は双六岳の頂上を通るコース、中と下は巻道となる。
はてさてどうしよう(考えるふり)
双六岳の分岐で考えるふりをメイクしたあとは当然のようにあっさりと巻道をチョイス。
北アルプスはいい感じに水場があり、その都度ガブンガブン飲みました。
ここでは本当に気持ちの良い山歩きができた。
槍ヶ岳はずっとひょっこりしていてストーカー気味に見守ってくれているし、永遠にこんな道が続けばいいのに、と現実逃避しながら歩き続けていると、この日のキャンプ地の三俣山荘が見えてきた。
辛さしかない前日からうって変わって本当に良き日で、早起きから始まった1日はこうして無事にゴールを迎えた。
今回のザックは目一杯詰め込んだ山と道のone、本来ここまで重くしてはいけないザックなのだけど、ウルトラヘビーにさせてしまった。
お守りがわりの千鈴は妻にねだって買ってもらったもの。
どんな状況でも帰る場所があることを常に意識できるようにという意味合いを込めて。実際、道中ずいぶんと励ましのエールをもらうことになった。って大げさか。
キャンプ地に到着するとまだ雪渓が残っていた。山荘は少し離れていたのでまずはテントを張ってビールを購入。
ここの山荘はおしゃれな感じで時間があったら朝食をいただきたかった。
女の子もかわいい(重要。テストに出ます)。
テントに戻り雪渓でビールと脚の裏を急速冷却して1日の道のりをねぎらう。
ちょー気持ちいい(feat.北島康介)。
目の前にそびえ立つ鷲羽岳へ乾杯。
ここを登ってから雲ノ平へ向かおうと考えてた時期が僕にもありました(一昨日まで)。
今回持参した移動式住居はアライテントのトレックライズ2DX。
国産テントにしては渋めのカラーリングがお気に入り。
広い前室が快適な野宿生活をサポートしてくれる。
二人用のためテント場ではまず張る場所の確保が課題だが今回の旅ではいずれも早い時間にテント場へ到着していたので張る場所がなくて困る、、ということはなかった。
ペンシルカルパスはお酒のお供に良き相棒となった。
ダイニングテーブルとしてスノーピークのオゼンライトを持参、アナルコカップやジェットボイルなど、食周りの装備はパッキングの重量増に大いに貢献してくれている。
ま、いいのだ。
食材はまたまだあるのでなにを食べるか選ぶ楽しみを味わいつついただく。
ウルトラランチのビバークレーションは間違えてお湯を大量投入してしまうも美味しくたいらげた。
お腹も満ち足り、横になるとそのまま寝落ちコース(街でやってたら牛になるやつ)。
あたりはガスり始めていた。
(旅は後半へ続く、、)
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pirochi18
初日から脚を痛めながらの登山、お疲れ様です👍 雲の上の楽園である雲ノ平、後半が楽しみです😄
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кочапо
素晴らしい文章と写真を見て最近怠りがちな三脚を持っていく勇気を貰いました❗️ シューズに関しては自分の中でも最大の課題です。本とか人の話だともちろんテン泊登山は足首を保護してくれてソールが硬いブーツは必須なんだろうけどローカットのシューズの機動力も捨てがたい… 現にアメリカのトレイルとかだと重装備でもハイカットのブーツ履いてる人なんてほとんどいないし😁 かといって登山中に岩場で足首捻って捻挫でもしたら動けなくなっちゃうもんね。 日帰りはローカットで行ってるんだけど雨の日の岩場で足滑らせたりしてくるぶしからよく血を流してます😅
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opoyopoi
鼻の穴がデカイと…吹きました😂onのシューズの耐久性はどうでしたか?気になっております🤔
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た〜
マウンティング金満ババァ…😅 でも、マシンガントークなら3倍のあの方がいるからサラリとかわせたとか🤣🤣🤣
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shoma
山でのコーラ、美味しいですよねー 疲れ過ぎるとビールよりもコーラに手が伸びます笑 後半も楽しみにしてます🙏
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mausg26(ゆい)
人の投稿見てると山行きたくなりますね〜😍⛰ハトヤの手ぬぐいかわいい!
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Snake
シャケさんの長文が読める日が来るとは… 山小屋で噛まれたダニはもしやベッドバグでは???
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BEKE
やっぱりインスタよりこっちの方が読み応えありますね〜😊 山道具の店で働いていた人間からすると、しやけさんの装備なら間違いなく、足に合う重登山靴ススメますが、なんとかなるなら良いか〜wって思っちゃいますw 私も登山靴買って山行きたいです✨ 後編も楽しみにしてます✌️
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Martin
めっちゃ読み応えあります💪 山コーラは間違いないヤツですよね❗️ 後編楽しみですー