20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎

[テント] Moss

20年放置していたモスのリトルディッパーをどう復活させるか考えていました。
当初、業者さんに頼む予定でしたがnoenoemaikoさんに教えていただいた業者さんが新規の受付をしていないとの事でそれならば自分でやってやろうと思い、本日決行いたしました!

オールドテントやザックに付き物のポリウレタンコーティングの加水分解問題。ベトベトになって悪臭を放ち最後はポロポロ、コーティングが剥がれ落ちるやつです。
これにどう向き合うか…

結果は限りなく大失敗に近いものでしたが多くの事を学びました。
では、その一部始終をご覧ください。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の4枚目の写真

まず例のブツを引っ張り出します。
衣装ケースに入れて保存しています。
数年に一度開封するのですがあまりの激臭の為また蓋を閉じてしまい、中身は全く見ていません。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の6枚目の写真

開封。
くっさ〜〜
モステントの加水分解臭はモス臭と揶揄され、銀杏の香りと例えられますが20年の熟成期間により、う◯この香りにまで昇華しています。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の8枚目の写真

遂にビニール袋から取り出しました。
20年ぶりの外の空気にディッパー君も喜んでいます!
強烈にベト付いてます。いろんなゴミも付着していて臭い相応の外観となってます。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の10枚目の写真

取り敢えず全部出しました。
PUコーティングの剥がれはぱっと見は見受けられません。

さて、
ここからどう復活させるかですが、ネットで調べるとPUコーティングを剥離させて撥水加工するのが定番らしいですが完璧ではないみたいです。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の13枚目の写真
「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の14枚目の写真

ポリウレタンについて調べまくってたら
ポリウレタンの劣化と安定化の論文を発見!
どうやら加水分解の安定化には液体カーボジイミドが有効との事。
カーボジイミドで調べるとすぐにスタバクゾールという加水分解安定剤(カルボジイミド化合物)に辿り着きました。
ただし、この物質は水性塗料を作る際に添加する材料であったりかなり敷居が高そうです。とても素人が手を出せる代物ではありません…

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の16枚目の写真
「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の17枚目の写真

このラインからネットサーフィンを繰り返し
せめてAmazonで購入できる製品で探した所水性ウレタン塗料かフロアポリッシュを使用する事にしました。まぁ中身は同じ様なものですがなんとなくフロア用の方が体に優しいのではないかという理由で水性のフロアポリッシュを使う事に決めました!
ウレタン樹脂の塗膜でコーティングする…なるほど理屈は合っているはずです。
つや消しのクリアタイプをチョイス。つやがない方がよりナチュラルでいいかなと思って…

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の19枚目の写真

癒着した生地をはがしていきます。
コーティングが剥がれてしまわないかとドキドキしましたが結構いい加減に引っ張っても大丈夫でした。が、密着している面は全てくっ付いているので時間はかかりました。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の21枚目の写真
「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の22枚目の写真
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衣装ケースに水性フロアポリッシュを流し込みます。
この中にフライと本体を漬け込みます。
刷毛で塗る方法もありますがこちらの方が楽でムラなく仕上がるのではないかと思います。
濃度で迷いましたが、全てムラなく漬け込める量を想像して水で薄めます。結果的に30%位の濃度になりました。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の25枚目の写真

いよいよ漬け込みます!
最初同程度のオイニー状態のオールドグレゴリーのザックカバーを使ってテストする予定でしたが面倒くさくなってしまいいきなり本番です。
この後悲劇に襲われるとは…

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の27枚目の写真

フライ、本体の順番で漬け込み乾燥させます。

臭いも少なくなり、見る見るうちにあれだけ酷かったベトつきがなくなっていくのが実感できます!

大成功の予感…😊

コーティング剤が十分に行き渡ったフライを干しインナーテントに取り掛かります。

ふとフライに目をやると美しいモスのフライが変わり果てた姿になっていました…

乾燥撤収出来ていない状態で一夏放置してしまった時のようなカビだらけの見た目になっています😭

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の31枚目の写真

原因はフロアポリッシュの濃度の高さと漬け込んだ事により必要量以上のワックスが生地に付着。その上、猛暑による急速乾燥が原因ではないかと…
一番の原因はつや消しタイプを使用した為だと思います。クリアタイプを使用したのに白くなったので白くなっている部分はつや消し剤が硬化したのではないかと思ってます。

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の33枚目の写真
「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の34枚目の写真

結果はベトベト90%減、臭い80%減(当社比)と当初の目的は達成出来たのですが多くの犠牲を払いました…
一番重要な見た目が-50%になってしまいました。
白い塗膜が所々に付着し、赤の生地のPUコーティングが一部剥がれてしまいました…
インナーテントは若干綺麗ですが、フライは全体がカビだらけのようになってしまいました😂

今、Amazonでワックス剥がし剤を絶賛検索中〜^_^;

「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の36枚目の写真
「20年の時を超えリトルディッパー復活⁉︎  | [テント] Moss」の37枚目の写真

取り敢えずフィールドに連れて行ける状態にはなったのでキャンプ場で少しずつ白い塗膜を剥がして見た目を良くしたいと思います。

本日学んだ事

水性フロアポリッシュはツヤありのクリアタイプにして5倍以上に薄めて使用する。
液体に漬けるのではなく刷毛でムラなく薄く塗る。
夏以外の天気の良い日に作業する。

追伸
リンキンパークのvo.チェスターが亡くなりました😢
辛い事は続くものですね…
ご冥福をお祈りします。

  • falo
    挑戦した事に意義があると思います^_^ 失敗からはたくさんの事を学べますよね^_^ これからどんなストーリーになって行くのか楽しみです^_^
  • кочапо
    ありがとうございます! 救われました😊 外観を戻すのはちょっと大変そうですけど必ず完全復活させます👍
  • 河西 誠 CAMP SPACE DOSHI 2.0 (CSD 2.0)
    めっちゃ勉強になりました!実証ありがとうございます!
  • Yopp
    これだけ調べてやったのが凄いですね‼️ 私もノースフェイスの幕で同様の問題に直面してます。重曹でコーティング剥がすのも考えましたが、やめた方が良さそうだったのでNikwaxの洗剤で洗うに留めました💧 完全復活させたいですね❗️僕は多分業者の力を借りそうです🤣
  • mochamochamaiko
    おー!すごいです✨ うちはからっきし自分でやったことないので勉強になります!
最高のロケーションでキャンプしたいって思ってたら 登山ばかりしてました。 BCスノーボードもやってます。
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