晩秋の野営地
前回の6月の野営のあと、蒸し暑い夏の日々が過ぎ去るまでじっと我慢をしていたと言うのに、やがて訪れた秋には週末の度に天候が崩れたり、また予期せぬ出来事が重なったりして、ようやく11月末になってこの場所に帰ってこれた。
6月には青々としていた木々も紅葉が進み、野営地の足元は水際までどこも落ち葉だらけになっていた。
一通り設営を終えると沸かした湯で落とした珈琲と甘いものでいつものように一息ついた。そのあとまだまだ薪が足りないので拾い集めてノコギリで長さを揃えていると、辺りはすぐに薄暗くなってきて、あっという間に夕暮れを迎えた。今回の野営の反省点。この季節の野営地入りはもっと早い時刻にした方が良い。予定していたクラフトは殆ど出来ず仕舞いだった。
夕食は自宅で仕込んでおいたジャークチキンを焼いた。ハウス食品のアリモノに生ニンニクと生姜を加えたものに漬けておいたんだけど、味の染み込み具合も表面のカリッとした焼き加減も上手くいった。
すり胡麻を大量にまぶしたポテサラといっしょに食べた。ハイボールが進む美味しさ。
シメはライ麦パンをスパイスの染みた肉汁につけて食べた。こんなん美味く無いはず無い。
夜中に酔いが醒めるとくわえて空腹で、チキドンを茹でて食べた。夜気の肌寒さのなか食べるチキドンもまた美味く無いはず無い。
夜明け頃の気温は4度。夜明け前に見た時は3度くらいだったので、そこそこ肌寒い朝だった。朝食はいつものようにフリーズドライの味噌汁と秋刀魚の蒲焼き缶、それと目玉焼きでゴハンを食べた。今回は初のアルスト炊飯でオコゲゴハンになってしまった。まあ、オコゲも美味い。
暑い夏の間に鬱々とポチった野営道具のうち今回初参戦な顔ぶれ。左上から
• 麻紐や枝で作ったペグを無造作に放り込めるダンプポーチ。カラビナで二箇所のベルトループに止め、設営作業中にブラブラしないようにした。
• OLIGHTのクリップライト。料理や手元の作業の時に上着のフロントファスナーの金具に挟んでおくととても具合が良い。
• 新調したカトラリー類。箸は口当たりが木製のお安めなやつにした。
• BushCraftの焚き火フライパン。コレは柄を現地で作りましょうというやつで、それだけでもパッキングがかなり有利になる。
• MSRの775Cクッカー。ソロで野営する者は全員所有していると思ってまず間違いないTrangiaの0.6Lケトルとミリ単位スタッキングできる事で知られているやつ。
• KUPILKAのククサみたいなカップ。野営中も家族の事を忘れないようにこのデザインをチョイス。
• 炊飯の為に今回から導入したtangiaのアルスト。炊飯と調理を同時におこないたくて導入したが、焚き火炊飯より火加減に慣れていなかったので、今回はオコゲ多めになった。思ったより火力がある。
• そのアルスト用の五徳兼風防みたいなやつ。
なかでも特に良かったのがOLIGHTのクリップライト。手元を照らすなら頭に巻くやつが便利なのだろうけど、何故だかすこし抵抗があってこれにした。フリースのファスナーに挟んだまま寝袋で寝ていても外れなかったし、とても軽量なのに明るいし、指で軽く摘んだだけでオンオフできるのも良かった。OLIGHTは日頃からニックの冬場の散歩で何年もお世話になっているので、とても信用している。
同じ野営地でも季節によってその様相はまるで違っていた。前回はアカガエルの鳴き声が反響していたこの山間部も、この晩秋にはとても静かだった。夜明け前にトラツグミの鳴き声が響き渡ることもなかった。2、3羽のカラスが少し鳴いただけで、後はとても静かだった。
さて、来春は色々と多忙になりそうな気配なんだけど、次はいつこの野営地に来られるだろうか。