磐梯山

定期的に登山するようになってから順調に痩せ､血圧もコレステロールも下がった中年会社員です｡2月も福島の磐梯山に登頂してきました｡

ママキャンプ場へ続く桧原湖沿いの国道を途中で曲がり､とんでもないデコボコ未舗装道をしばらく進み､昼頃にスタート地点である裏磐梯スキー場へ到着｡失礼ながら不便な場所なのにレストハウス下の駐車場は満車で、ゲレンデも子どもたちのスキー教室が開かれているらしく､おおにぎわいでした｡

登りはチートで第一と第二リフトに乗りました｡ゲレンデトップからいよいよ登山開始｡といっても最初の数キロはスノーシュー体験によく使われる平原です｡銅沼という硫黄で真っ茶色の沼｡厳冬期は沼の氷の上を歩く､とどこかで読みましたが､完全に凍ってないので止めました｡

磐梯山を裏磐梯から登る場合､夏と冬でルートが違います｡今回は冬道なので、平原を抜けると積雪期しか歩けない岩稜地帯の巨大岩の隙間を進み､尾根の手前でビバーグすることにしました｡(通常は日帰りで登れる山です)

突然ですが､ニューテント紹介｡アライテントのRize1です｡(トレックライズとは別モデル)シングルウォールで980gと超軽量｡通気孔が2箇所ありますが､密閉性がかなり高く冬季や高所登山にぴったりです｡

さらなる軽量化と冬山では結露しても霜になってしまうので問題にならないと判断して買ってしまいました｡HPではシェルターの分類になっていますが、生地は普通のテントと同じ厚みで頑丈そうです。

そして面白いのが床面がジッパーで半分めくれるところ｡これにより靴をはいたまま中で休憩したり､出発の用意ができるというスグレモノ｡他のテントにはない機能ですね｡

今回も設営後早々に激重モンベルバロウバッグ#0にくるまりながらカップラーメンを食し、ウィスキーを飲みながらまったりしていましたが、日没後すぐに寝てしまいました。

夜中にかなり雪が降ったらしく、朝5時に起床すると15cmくらいの雪が積もっていました。徐々に雲が取れて、快晴になりそうなのでコーヒーを飲んでから撤収して7時出発。

しかし早朝トレースのない急登、なおかつ足首くらいまで新雪に埋もれる状態なので、櫛ヶ峰分岐の稜線まで一人で四苦八苦。吹き溜まりになっているところでは太ももくらいまで落ちる踏み抜きもあり、ザックが木の枝にひっかかったり足が滑ったり、四つん這いでズリズリと進む場面も多々ありました。

急登の途中でアイゼン装着。急斜面なのでワカンは多分使えなかったと思います。分岐手前でゼーハーしていると、後からかなりの速さで登ってきたパーティに追い抜かれました。

やっと櫛ヶ峰分岐に出るとほぼ快晴、絶景なのですが、磐梯山がかなり遠くに見えて、このペースで登れるのか？と不安がよぎります。稜線に出ればあとは一直線だと思っていましたが、微妙に広い平原のような部分もあり、前のパーティについていったのですが、その方達も正規ルートからずれたようで灌木地帯につっこんでしまいました。

またも新雪とハイ松のミックスで歩きにくい尾根を四苦八苦で登って行き、なんとか功法清水小屋に到着。小屋は冬季休業で完全に雪に埋もれています。

ここは頂上直下と言える場所なのですが、これまた山頂を見上げるとかなりの距離感。そして風がどんどん強くなりガスが発生してきて視界が悪くなってきましたが、少し休憩した後に午前中はとにかく登ろう、とアタック続行。

と、ここからもまた新雪で足が埋まる状態で、強風と視界の無いガスの中、悪戦苦闘。切り立った場所ではないので危険ではないのですが、その分どこを歩いても足が埋まり、息が切れます。視界が無いのでどのあたりが山頂なのかわからずテンションが上がりません。先行のパーティの方達はかなりのベテランのようで、見えないくらいまで先に登っていってしまいました。ガスっている間は写真ナシ。

しかし無心に雪と格闘しているうち、あっという間に雲が切れ、頂上直下でまさかの快晴となりました。そして気づくと山頂と青空が交差しているのが見え、一気にテンションアップ、なぜか足も軽くなり、11:15頃無事登頂。小屋から山頂まで地図上ではたかが600mくらいなのですが、一時間くらいかかっています。

山頂では強風で雲が物凄いスピードで流れていますが、猪苗代湖を一望することができ、感動。独立峰なので高度感がありプチ登山家気分になれます。

写真を撮った後もしばらくぼーっとしていましたが、雪で下りの行程も時間がかかると考え、昼前に下山開始。下山開始してしばらくすると再び濃いガスがかかってきて、視界が悪くなってきました。この日昼以降に登った人は展望がなかったと思います。

どうせなら下りは小屋から別ルート(夏道)で下ろうかと思っていましたが、まったくのノートレースで、道に迷ったらシャレにならないのでおとなしく来た道を下山しました。雪が柔らかいと登りがつらいけど下山は楽です。結局ピッケルは数百メートルしか使いませんでした。

平原地帯まで下山すると雲が濃くなり、雪が降ってきました。銅沼まで戻り、沼の縁あたりを歩いてみたら、数センチの水たまりにはまり焦りました。沼の上にトレースがありましたが、おそらく体重軽い人でしょう(笑)怖くて沼の上は歩けません。

なんだかんだで時間がかかってしまい、やっと登山口のリフト終点に到着。が、下りのリフト券は買っていないので、第三リフト脇を自力下山します。(第一/第二リフト横はスラロームコースなので歩けません)リフトに乗っているスキー客から「あの人なんで大きい荷物持ってるのかな？」と言われているのが2回くらい聞こえました(笑

無事下山した後は道の駅猪苗代でお土産を購入し早々に帰宅。千葉県から裏磐梯の運転は都内を通過しなくて良いので気分的に楽ですね。今回は厳冬期ビバーグと新雪を乗り越えて、体力的には大変でしたがとても楽しめました。登山ダイエットも効果ばつぐん！