蒼き鋼のデッカイドー🌊vol-5

北海道上陸4日目の朝、昨夜盛り上がり過ぎて起きられないのではとの心配をよそに、よしPさんが撤収している途中で目が覚めた。

これから3時間近く掛けて仕事に向かう彼には、感謝の極みだ。

僅かな時間を、敢えて自分達と過ごす事に使ってくれた気持ちが有り難い。

この日はこれまでお世話になってきた、まあぶキャンプ場を撤収する日となる為、朝食もカンタンに済ませて撤収準備に入る。

前日の飲み過ぎにより二日酔い気味のにゃんさんの撤収が済み、彼を見送ると自分達も撤収を済ませる。

この日は札幌にあるカプセルホテルに宿泊する予定である事と、monoso会長と待ち合わせをしている為、一路、札幌に進路をとる。

とりあえず札幌市内、ホテルの近くのパーキングに車を止めて、昼食には某有名な寿司チェーン店で寿司を食べることにした。

しかし、それが大失敗だったのだ。

回ってはいない寿司屋なのだが、とにかく値段が高い。それでも本場の寿司ならと注文するも、さんざん待たされた挙句、出てきたのは贔屓目に見てもスーパーのパックの寿司並みの物だった。

最初は少な目に注文したのだが、それだけで5000円を越えてしまい、追加を頼む気になれずに、遣り切れない想いで店を後にする。

だが、まだ満腹とは程遠い状態、ふと側にある立ち喰い蕎麦屋が目に入る。

そういえば、押井守監督のアニメ「機動警察パトレイバー」で、北海道の立ち喰い蕎麦屋で蕎麦を食べるシーンがあった事を思い出した。

おもむろに食券機に向かい、パトレイバーにも登場(?)した、コロッケ蕎麦を頼んだ。

ここが期せずして大当たり、雰囲気といい、店員さんの対応といい、先程までの荒んだ心にソバツユが沁みいるかのような満足感があった。

やはり食い物は値段では無いのだ。

その後、monoso会長と待ち合わせ、札幌のアウトドアショップを案内して頂いて、夕食には会長オススメの鳥料理屋で食事をする事になった。

会長が学生時代にバイトをしていたという、それこそ馴染みの店で、旨い鳥と酒に舌鼓をうち、ホテルまで送って頂いた。

連日のキャンプや、楽しい時間を過ごす事に夢中で、やはり疲れが出たのか、ホテルに戻るとすぐに寝落ちしてしまった。

ススキノの夜を楽しみにしていたタキさんも、会長の車の後部座席で既にイビキをかくほど眠かった様子だった。

あと、残すは明日一日となり、我々の北海道遠征もいよいよ終わりに近づきつつあった。

次回

蒼き鋼のデッカイドー

第6話「その時間を捧ぐ」