「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の1枚目の写真
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2018

北米旅(回想録episode zero)

[テント] snow peak

キャンプに行けない日々、夜な夜なキャンプギアを磨いたり木箱にオイルを塗ってみたり。ずっと使ってなかった懐かしいキャンプ道具なんかを押し入れから引っ張りだしてみたり(笑)相変わらずそんな日々を過ごしております。

今日は僕がキャンプを始めたきっかけを。
そう、またまた回想録。
今回は勝手にepisode 0です^^;
前回の回想録1や2はこの数年後と言う事になります。
初心に戻るべく、個人的記録として。写真も当時のデジカメとガラケーでのショットなので粗いです(;´д`)

場違いを承知しての長文。苦手な方はスルーして下さいね!(危険⚠)

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の2枚目の写真

新宿のアウトドアショップに行ったのは、もう10年近く前の話し。
仕事もやめ、当時の彼女とも別れ、ふと広いところに行きたい。そう思い、浮かんだのがアメリカ。「全ての行程において直感に従おう」それだけを決め、アメリカ行きのチケットを取った。
とはいえ向こうでの予算がどうにもこうにも。
その時に降りてきた直感。
「テントと寝袋があれば何とかなるか。」
そしてそのまま高円寺から中央線に乗りこみ新宿へと向かった。
初めてみるアウトドアグッズのデザインや質感のカッコ良さに驚いたのを覚えている。(勿論、値段の高さにも)
呆気にとられている場違い極まりない男に店員さんが優しく声をかけてくれる。
僕は今までブランケット1枚のみの野宿スタイルでしか旅をした事がない事、そこから学んだ事もあり、今回はテントを持っていこうと考えていること、それからキャンプには全くもって無知なんです。ということ、とにかく御教授下さい!というような事をピエール瀧似の店員さんに話した。店員さんからは行き先や期間、旅の行程(ノープランでした)など色々な質問があり、僕は緊張して支離滅裂な事を言っていた気がする。
「自然をなめたらいけない。死なれたら困りますから」
そう言ってピエールから紹介されたテントはスノーピークのランドブリーズソロだった。シュラフもスノーピークのマミー型。足も出せて分離も出来るセパレートタイプ?のやつだ。シュラフは予算的におすすめされたスペックより一つ下のものを選んだんだけどその時のピエールの心配そうな顔を僕は忘れてはいない。(その表情のお陰で身が引き締まったのだから)後はインフレータブルマットもスノーピーク(当時は名前すら知らなかったけど今思うとゴリ押しだったな〜笑)。
そう、とりあえず寝れたらいいやくらいに思っていた軽はずみな僕のテントデビュー。そこに僕の執着はなく、全て新宿のアウトドアショップの店員、ピエール瀧似の彼が選んだモノとなった。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の4枚目の写真

高円寺のアパートに着くやいなや僕は狭い部屋にインナーテントを張り(自立型)、真新しいシュラフって呼ばれてるフカフカのやつにくるまった。想像以上の出費で渡米してからの生活費の殆どは僕より先に旅立った。
だが不思議とテントの中にいると、そんな事はどうでも良くなってくる。
「ま、とりあえず何とかなるっしょ!」
僕はこういった現象を新幕MAGICと呼ぶ様になる。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の6枚目の写真

ロサンゼルスから入り、最初はアリゾナへ行こうと思っていた。
5streetの安宿のベッドの上で地図を広げて思ったのは右にも左にも(左は海)下にも行きたくないと思い、とにかく上へ上へと突き抜けたい!という衝動にかられ僕は直感のままにアラスカを目指す事にした。
そこで無けなしのお金で長距離バス、グレイハウンドのディスカバリーパスを買った(後にポートランドで盗難にあう笑)夜行バスなら宿代も浮くし移動費もかなりお得になるという計算だった。写真は旅の途中に出会う人によく進められ寄り道をしたヨセミテ。キャンプ4という所で6日間程テントを張って過ごした。
ここまでも、この時も色々な出会いや出来事があるんだけど、キリがないので(汗)

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の8枚目の写真

彼は寝たきりの奥さんの介護に疲れるとこの湖の畔にきてハープを弾くという。
「お前の荷物はそれだけか?その中にお前の生活の全てが入っているっていうのか?あははは、お前の大学はこの世界だな。」僕のバックパックを見た彼はそう言って笑った。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の10枚目の写真
「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の11枚目の写真

それから数日間をかけて何とかポートランドまで辿り着いた。
ヨセミテでは慣れない山歩き、テント泊を散々した後の夜行バス。それまでの疲れ、ポートランドに着いた時の僕はかなり朦朧としていた(ヨセミテ2日目にはインフレータブルマットには穴)。そしてポートランドのバスステーションでボケてる僕はディスカバリーパスを盗まれる事になる(後にバスステーションに届けられていた!)。
「旅にはよくある事だ、気を抜くなって事、これはきっとポートランドに居ろって事。この町にはディスカバリーパス以上の何かがあるんだ!」
そう自分に言い聞かせたら案外すぐに前向きになれた。
そこから職探し。当時の僕はクレジットカードもなく、お金も無いくせに現金主義(笑)
しかし不況のアメリカ。
レストラン、現場仕事、ガンガン攻めたが観光ビザしかないので雇ってはもらえない。でもポートランドの空気感が僕を落ち込ませない。そこからある女の子に出会い彼女が友達と暮らすアパートのリビングで1ヶ月近く居候する事になる。彼女は日本が大好きな様だ。(この旅ではこの後も日本人と言う事で何度も救われている。)
僕は日雇いの仕事を紹介してもらったり、ネットで知り合った輸入業者の仕事を単発でやらせてもらったりと何とか日々を凌いだ。そして第2の故郷となるポートランドを離れ、またアラスカを目指す。

ポートランドでは沢山出来た友達に見送られ、バスステーションに行くと「お前のパスが届けられてるぞ。こんな事は滅多にない!」とサービスカウンターから声をかけられた。奇跡的に戻ってきたディスカバリーパス。
有効期限も残り2日しかなかったが本当に助かった。
やっぱりポートランドに留まるべくして留まっていたんだとその時に確信した。
僕はカナダのバンクーバーへと向かった。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の13枚目の写真

この時点で残金が100ドル切っていた。帰りの飛行機チケットの期限はとっくに切れている。
バンクーバーにはテントも張れそうな場所も見つけられず都会すぎて歩き疲れたので無けなしのお金でバスに乗り、少しでも北へ。
使えるお金ギリギリで行き先を決める。ここに来て少し不安になる。ポートランドのみんなの顔が頭に浮かぶ。
ホープという町とメリットいう町で悩んだ末、今の自分にはメリットが必要だなって事でメリットをチョイス。
数時間バスに揺られメリットに到着した時にはもう日が暮れていた。砂漠のような町メリット。
テントの張り場を探していると、ピンクのライダースを着た女性にタバコをちょうだいと声をかけられる。
僕はタバコを1本巻きながらテントを張れる場所はないかと尋ねた。「こんな所にないわよ!家に来なさい!泊めてあげるから!」僕はシェリーンという女性にまた助けられる事になる。
ヨガをやっている彼女は日本が好きらしく日本人なら安心だと言っていた。シェリーンのオシャレなアパート。
何故か僕の事を「リトルブッダ」と呼ぶ彼女のそのアパートに僕は3日間もお世話になってしまう。
もう少しゆっくりしていきなよと引き止めてくれるが甘えても居られない。
そこからはバス代もないので必然的にヒッチハイクの旅となる。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の15枚目の写真

On the Alaska Highway。通りすがる人やクルマから沢山写真を撮られた。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の17枚目の写真

僕を拾ってくれた人の一人。50トントラックのミルクマンDave.彼に古いキャンピングカーの塗装、芝刈りの仕事をもらう。

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「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の21枚目の写真

結果、出会った人の家の芝刈りやペンキ塗り、子守りや芝刈りや芝刈り、そしてまた子守りやペンキ塗りなど、沢山の人が僕を拾い、仕事をくれ、ソファーや庭先を貸してくれ、美味しい食事までご馳走してくれた。

(写真のキャンピングカーは1975年製。
10日間かけてサンダーで古い塗装を剥がしバーガンディ色に塗り直すという仕事をした時のもの。この時はここに寝泊まりさせてもらっていた。この後このキャンピングカーで3日間のキャンプに連れて行ってもらうことになる。)

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の23枚目の写真

そして進路は北へ!
Alaskaまでぶっちぎる!

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の25枚目の写真
「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の26枚目の写真

途中、野宿をしたりテントが張れそうな所にはテントを張って北を目指した。
夜は焚き火をし、食事はだいたい食パンとターキーハム。あとは安い赤ワイン。だいたいこんな感じ。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の28枚目の写真
「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の29枚目の写真

そして遂にAlaska borderへ!!

しかし、、、アラスカ国境で入国拒否。帰りのチケットなし、所持金220ドル(増えた!)銀行残高なし。
分かっていた。
ほんの数分前に最後に僕を拾ってくれたデトロイトから旅をしてるという夫婦にも車中で話したところだ。
「多分、僕は入国できない。アメリカのビザもあと1日しか残ってないし。それでもアラスカに辿り着きたい。」と。
ただ今まで出会い支えてくれた皆との約束を果たしたかった。自分一人ではない大きな力に背中を押してもらいながらここまで来たのだ。
イミグレーションの人に1歩だけでもアラスカの地を踏ませてくれ、無理ならここまで来た証明が欲しい!そう言ったら彼はサラッとした口調で「もうここはアラスカだ」と言言って僕のパスポートにバンッ!!
とシロクマのスタンプを押してくれた。

イミグレーションを出ると網の向こう、アラスカ側で僕をここまで乗せて来てくれた夫婦が心配そうに僕を待ってくれている。僕は頭上で大きく両手をクロスさせた。
「やっぱりダメでした!ありがとう!」泣いている奥さんの肩をそっと旦那さんが引き寄せる。

僕はまた来た道を戻らなければならない。
親指をあげるとすぐにキャンピングカーが停まってくれた。それを見た夫婦は少し安心してくれたみたいで少し心が救われた。
入国拒否されたのにあの時の僕の心は晴々としていた。
カニ漁への道を閉ざされ、あてのない僕はとりあえず仕事がありそうなバンクーバーへ向けてヒッチハイクを再開した。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の32枚目の写真

最後にKluanelaleからAlaska borderまで乗せてくれた Cathy&Bic.本当に温かい人達だった。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の34枚目の写真

この街でカナディアンインディアンに拾ってもらい、彼らの居住区で数日間共に過ごした。別れ際、ファーストリバーネーションのインディアンネームを授かった。Wolf that walk(歩くオオカミ)だ。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の36枚目の写真

アラスカハイウェイをひたすら一人で歩き、クルマの音が聞こえるとプレートを掲げ親指を立てる。22キロのバックパックを担いで1日最低でも15~20キロは歩いた。
アラスカ手前のユーコン辺りはBUGが凄い。革ジャンの外からも刺してくる。それも大群で。
行きに通った同じ道を歩いているのに景色は全く違ってみえる。

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の38枚目の写真

その後は上記にも記した通り、ネイティブインディアンと過ごしたり、シェルターを渡り歩いたりしながらヒッチハイクを続け、何とかバンクーバーへ。
色んなストーリーを抱えた人達と共にシェルターに暮らしながら毎朝キャッシュコーナーという日雇い労働者をトラックが拾いに来るストリートに行き、ガツガツ仕事をとってお金を貯めて何とか無事に日本に帰って来れた。(お金は全てシェルターのスタッフに預けていた。)
気づいたら6年とも思える6ヶ月という月日が流れていた。

プチ情報
バンクーバーのシェルターは犬と暮している老人もいてよく散歩や買い物を頼まれました。皆何で日本人がこんな所にいるんだとはじめは不思議がってましたが、日本の事が好きな人が多かったお陰で皆に良くしてもらいました。
3日に1度、マンツーマンのカウンセリングを受けるんですが、僕の場合、日本に帰る目処や日雇い仕事の事が中心でした。シェルターには実際、ホームレスや薬物依存症、家族から逃げてきた人など様々な人がいます。僕はカウンセラーからジャパニーズジプシーと呼ばれてました(-.-;)
ホントに危ない人もいましたが殆どの人達は痛みを知った優しい人達でした。2段ベットが並ぶ大部屋で1ヶ月ちょっと彼らと共に暮していましたが、彼らからは学ぶ事だらけでした。
面白い事もいっぱいありました。
朝起きたら僕のロッカーを壊して勝手に僕の靴下を履いてる人がいたりして、それを履いたまま平気で話しかけてきたり。もう面白すぎてホントに笑うしかなくて(笑)あとは散々、酒は良くないと若い子に延々と説教をしたその翌日に酔っ払ってケンカして顔がボコボコになってシェルターに帰ってくるおじさんとか。
本当にピュアな人達ばかりでした。憎めないんです。彼らからはホントの悪を感じませんでした。だから切ないんですが。
とにかく年齢層の幅も広く、みんなが老人をリスペクトしていたり、老人も若者の相談に親身になって意見していたり、毎日そんな素晴らし光景の中にいられて幸せでした。
僕にとってのシェルターは人生学校の様なそんな所でした。(今はキャンプ的なシェルターが欲しいんですが)笑

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の40枚目の写真

随分とキャンプとはかけ離れてしまい、ここに記すのも場違いなお話しだったように思います。
しかし土砂降りの夜や、めちゃくちゃ寒い夜、何よりもテントの中にいる時は安心できました。
人は勿論ですが、テントの有難みを身に染みて感じた旅でもありました。
僕のキャンプ人生の始まりはここです。
未だにランドブリーズソロは健在です。
シュラフは未だにこの時と同じものを使ってます。
ギアって思い出つまりますよね(笑)
因みにこの時のバーナーはMSRのポケットロケット?でした。アメリカに着いた当初はネットもあまり使っておらず、何も分からずにアメリカで購入したものです。これもまた大切であり健在です。

ただ、何だかんだスノーピークって凄いと思います。
あれだけ酷使してもしっかりと身を守ってくれました。
ん〜、ホント強い。

もしも、こんな長文、ここまで読んでくれた方がいたならば、ありがとうございます&失礼しました!

いや〜これでもまだ書ききれない!!

回想録はこの辺にしてこれからは普通にキャンプな日常をアップしていきたいです!
あざっした!

「北米旅(回想録episode zero)  | [テント] snow peak」の42枚目の写真
  • QP
    小説のようで、読みながらワクワクしちゃいました✨✨ 次回作も期待してます😊😊
  • SHO-GO
    凄すぎますね!映画の様な話で良い経験されましたね!羨ましいです!(^ ^)
  • shoma
    トップ画像のブーツのリアルダメージ感が旅の過酷さを物語ってますね👞 こんなスケールのデカい旅いつかしてみたいですが、途中で挫折しそうです笑
  • あっちん
    Episode 0✨ 本当にシリーズ物の映画になりそうなお話で、ほかのエピソードももっと知りたいと思いました☺️ 文章もお上手で、想像力をかき立てられます。 いっそ本にしてもらえないかしら!😆💕
  • あゆみ
    引き込まれる文章で、一気に読ませていただきました。人との出会い、場所との出会い、どれも外に出ないとできない経験なんですね。 新作期待してます🤣
  • novurie(ノヴリエ)
    読みました。最後までしっかりと。一本の映画を見終わった気分です😭🤣😳泣けて笑えて驚きました❗️ なんで同じ日に投稿してしまったんだろう😭😭😭
  • inupunch
    最後まで拝見しました(о´∀`о) 自分には出来ない体験で、とても興味深かったです。 世界は広いですね。ここまで出来ないにしても、いつか自由に旅してみたいです。 スノピ推しのピエールの選択は正しかったのですね❗️(笑)
  • кочапо
    最高の経験をされましたね〜😊 私もアメリカ大好きで学生時代から合わせるとほとんどの州に行きました。 今の夢はアラスカの地を踏んでバックカントリーでキャンプする事です。
  • albatross_Lab.
    凄い!😳とにかく濃密で貴重な経験をされていらっしゃいますね!あっという間に読み終えて感動してしまいました。 歩く狼…🐺とても素敵ですね。ダンスウィズウルブズが見たくなってしまいました🐺🎞 と、フォローさせて下さい🙇🏻‍♂️
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