【みなかみ】温泉接待キャンプ
土肥釣りキャンプの翌週は、仕事のお客さんとみなかみへ行った。
以前よりキャンプに行ってみたいという希望は聞いていて、お互い仕事が若干落ち着く時期が同じなので日程を決めて決行した。クライアントさんではあるものの、案件の性質上「パートナー」のとしての色が強く、この1年ちょっとくらいずっとともに仕事をしてきたいわば「戦友」なので、仕事とプライベートをしっかり分けたいタイプの自分も抵抗はなく、楽しめた。
このキャンプ場もソロでもたまに利用する場所で、日帰り温泉が本業で敷地内で数張りキャンプができるところなので、混むことも少なく、なにより気持ちのいい温泉を味わえる好きなキャンプ場。
1週間前に公式サイトのフォームから予約をし、数日後に確認の電話が来るとのことだったがかかってこず前日に電話をいれたところ問題なく予約できた。が、電話の終わりに「最後に、クマがでるかもしれないから気をつけてくださいね。まあもう一組いて、そこが6人だからワイワイするだろうし大丈夫だと思うけど」と言われた。「はーい」なんて余裕をかましたがドキドキしながら、念のため「みなかみ クマ」で検索してみると、その数日前に林道で男性がクマに襲われて軽い怪我を負った、という記事が出てきた。記事の最後には「なお、クマは西の方へ逃げて行ったとのこと」と書かれており、見つかっていない事実に若干ビビりながらも当日を迎えた。
お客さんが住んでいるところは自宅からすぐのところなので朝迎えに行き、「実は」とクマの件を話し、「もし出たら車へ逃げ込みましょう」と決め、みなかみへ向かった。
途中道の駅とスーパーで買い出しを済ませてキャンプ場へ着き、受付と薪の購入を改めてクマの注意を受けながら済ませた。
前週のツールームに引き続き、ソロでは張ることのないツーポールのシェルターを久しぶりに貼った。中にポップアップ式の1人用蚊帳をつけたコットを2台設置するだけの簡単システムだが、季節•場所的にとてもちょうどよく過ごせる気温だった。設営を済ませたら、朝出発前に焼いてきたバンズでハンバーガーを作った。べらぼうにうまく、お客さんも満足してくれた。
お昼の後も仕込んで行った軽いアテで飲み食いしていると、受付の方とは別の管理人さんがサイトに来られ改めてクマの注意を受けた。自分たちのサイトは露天風呂の小屋から20mくらいの場所だったのだが、「あの小屋の川側に感知センサー付きの照度の高い照明がある。照度が高いのでビックリして逃げるとは思うが、光るということはそういうことだから」と説明を受けた。
夕方までだらだら飲み食いし、夜は串打ちしてきた焼き鳥と出来合いのおでんを地酒でやることに。ただ、お腹がいっぱいでおでんは結局開けずに焼き鳥だけになった。途中、例のライトが光り、緊張が走る中2人で凝視したが、ガに反応しただけとわかり胸を撫で下ろす場面があった。
神津島でも西伊豆でもやらなかった、久しぶりの焚き火とうまい日本酒でいい感じに酔っ払って、露天風呂に交代でゆっくりつかり就寝となった。
翌朝はコーヒーを淹れ、簡単に「元」を使った炊き込みご飯とインスタントの味噌汁で朝食をとり、サクッと片付けたあとはまた温泉へ。寝てる間も寒いことはなく、1年で数日しかない1番いい時期に来れたことに満足し、帰りに人気の蕎麦屋でお昼をとって解散となった。
2週続けて「おもてなし」キャンプをやったが、誰かと行くキャンプはソロでは味わえない楽しみがあるし、料理含め、人をもてなすのがまったく苦じゃないどころか好きな自分にはとても楽しいものだったと思うのと同時に、仕事先の、それもお客さんと2人でキャンプへ行くという、20代のころの自分からはまず考えられないことをやった自分に、おっさんになったんだなあと思った。