MNM ALPS CAMP

昨年、憧れの南アルプスの奥の方をぐるっと一周したいと計画したのだが台風直撃のため中止、今年こそはと再度計画し好天を引き当てることができた。(それにしても東海フォレストのシステムはどうにかならんものか)
三連休の前に2日の休みをプラスし4泊5日の日程を組めたのは盆休みを返上して休日出勤した賜物である。
まともな社会人であればこんな休みは取れまいとソロ山行を覚悟していたが、まさかの友人3名も一緒に行けることになり(1人は今年転職したばかりだが)4人パーティでの旅となった。

狭いバスの中で顔面にザックをめり込ませながら聖岳登山口で降ろしてもらい、初日は聖平小屋までとにかく森の中を登ったり下ったり登ったり登ったりした。





ところどころ道標のタイムと現実のギャップに不平不満を漏らしながらなんとかテント場へ到着し初日は終了。



DAY 2
前日に聖平小屋の若者から明日から天気崩れそうですよ、、と脅されて暗いうちから歩き始める紳士と淑女。





朝焼けの中まずは聖岳へ。生憎のガスで眺望はなかったがまずはこの旅初めての百名山を踏破。


山の上からは本日の目的地である百間洞山の家が遠くに見えた。
悪名高き東海フォレストの策略とも言える小屋に泊まらねえやつなんざバスに乗る資格はねえし食わせるタンメンもねえシステムに従い、この旅唯一の小屋泊を決め込む予定となっている。

南アルプスの山はでかいからなかなか近づかないよ、との言い伝えはまことであった、、




聖岳を後にし、次なるピークの兎岳を目指すとその手前に避難小屋があった。
正直余程のことがない限り避難したくないエクステリアだが時間的な都合でここに泊まる前提のルート設定をしている登山者と何組かすれ違った。
それはそうと兎なんて可愛い名前がついてる割に全くもって可愛げのない登りが続く兎岳を越えてさらに子兎岳へ向かうと子兎でもなんでもない無名の偽ウサギに騙されたりしてすっかり兎が嫌いになってしまった我々だった。





この後さらに中盛丸山という、ごはんかよみたいな名前のピークを越え(これまたしんどい登りだった)ようやくゴールの小屋へ辿り着くとオコジョが出迎えてくれた。うさぎは嫌いになったがオコジョはかわいいよオコジョ。
そんなこんなでこの旅の核心である2日目を乗り切り、ご褒美のようなこの小屋名物の豚カツで腹を満たすと強烈な眠気に襲われてご歓談もそこそこに就寝となった。






DAY 3
百間洞山の家でしっかりと栄養と睡眠をとりダメ押しの朝食でフルパワーを得て、この旅二つ目の百名山である赤石岳へ歩みを進める。



振り返って2日目に歩いた山々のシルエットを眺めながら過ぎた苦しみを苦々しく思い出すも早くも良き思い出に上書き保存されてゆく。
途中に現れる百間平の稜線は間違いなく心の稜線歩きベストテン入り確実な素敵稜線だった。




大斜面のトラバースを越えて山頂に着くと二つの標柱のある赤石岳についた。




いかにも山男な赤石岳避難小屋の小屋番から残っている数本のコーラを一本を残して買い占めた我々はさながらコーラ強盗のようで、この後の登山者の気持ちを考えると余計にコーラがうまかった。

3日目以降はゆとりのある行程なのでまったりと赤石岳山頂で時間を過ごしてから小赤石岳を経由して荒川小屋を目指す。
この旅唯一のエスケープルートである赤石小屋を上から眺める。使わずに済んでよかった。



おどろおどろしい道標



なんだよ雷鳥かと思ったらホシガラスかよ、でお馴染みのホシガラスに見守られながら高度を下げてゆく。

紅葉の予感を感じさせる道をさらにしばらく進むと本日のテント場がある荒川小屋が見えてきた。








荒川小屋のテント場はそこそこの広さで設営しやすい良いテント場だった。



今回の食周りは今更ながら最近ハマっているアルコールストーブでの炊飯にチャレンジ。炊飯しながらレトルトを温めることもできて楽。が、この旅で2度の炊飯はどちらも微妙に満足いく炊き上がりとはならなかった、、修行あるのみ、、





DAY 4
夜半に目を覚ますと星が綺麗だったので今回新調した三脚の出番とばかりに写真を撮る。
周りのテントになるべく迷惑かけぬようそろりと歩く姿は変質者そのもの。
とはいえランタンさながらの明るさを放つテントこそ迷惑だったかもしれない、、
(なんなら撮影にも邪魔だ)






朝を迎え、この旅の最終目的地悪沢岳を目指して歩き始める。






かなりの好天に恵まれこれまでの歩いてきた道や遠く北アルプスなども見えていた。



今回登る三つの百名山のうち最後となる荒川岳は前岳、中岳、悪沢岳(東岳)の荒川三山をメインとしたいくつかのピークの集合体とのこと。
前岳は登山道から少し逸れるため分岐にザックをデポしてから前岳に上がると中岳側から見覚えのある男がカメラ目線で近づいてきた。



自分たちは木曜から入山しているが完全なる逆コースを土曜日から上がってきた友人だった。
もともとは中岳あたりで会えたらと思っていたが、向こうのほうがいくらか早い到着だったようだ。電波が入りづらい中で出会えてよかった。
これまでの旅路を報告し合い、注意点(赤岳避難小屋のコーラは飲み干してやったこととかビールが売ってないこととか)など共有し合った。
しばし山頂でご歓談ののち友人を見送る。
自分たちが歩いてきた道をこれから歩くのかと思うと感慨深いものがあった。
そうしてそれぞれの旅は続く。



友人と別れた後は荒川中岳を経由して今回の最高到達地点である悪沢岳を目指す。


振り返ると中岳避難小屋が見送ってくれている。こっちサイドからの中岳かっこいい。

悪、なんて名前がついてるからどんだけ悪い奴かと思いきや意外といい奴かもと思わせる面構えな悪沢岳。荒川三山でこいつだけ離れててちょっとグレてる感は否めない。
中腹あたりの稲妻みたいな九十九折りもかわよ。

聖岳は隠れているが今まで登ってきた道が丸見えで感慨深い。(にっくき兎岳と中盛丸山のことはいまだに根に持っている)






そしてもう慣れましたよ、と言いたくなる山頂手前の急登をもはや無感情で登り終えるとついに悪沢岳に到着した。
この悪沢岳をもって100名山50座目となる友人夫婦の節目にも立ち会えて良かった。
この旅もあとわずか。


悪沢岳と千枚岳の間にある丸山。
天空の滑走路は双六岳だけじゃなかったんだ。父さんは嘘つきなんかじゃなかった!とパズーが言ったとか言わないとか。
あっちばバズりまくってるけどこっちは初めて見ました。
そう言うとこだぞ南アルプス。

悪沢岳を越えてあとは本日の宿泊地である千枚小屋まで下るだけ、とはいかず何気に怖目な千枚岳をきっちり登ってから千枚小屋へ。
旅の目的を果たしきった安堵感からもうランチは小屋でカップ麺頂こうぜ、となりお湯付き500円という下界では考えられない金額のどん兵衛をお湯付きならタダみたいなもんだよな!と言いながらすすりこむ。うまし。
ちなみに千枚小屋は冷蔵庫完備にてキンキンキンのチンカチンカなビールがいただける旅の最後を飾るにふさわしい小屋でした。

この先にテント場あるんだよね?と不安になるくらい小屋から離れたテント場へついてちょうど良さげな場所に設営。
最後の晩餐にと用意していた高級インスタントラーメンにワンタンとチャーシュー味玉の全部入りラーメンを作る。
こうして最後の夜が更けて行くのであった。








DAY 5
5日目、旅の最終日の我々は下山するのみだが、この千枚小屋のテント場から旅が始まる人たちも多く3時ごろからテントを撤収する音が聞こえる。
早い人はもう出発したようだ。
樹林帯のテント場なので星は見えないかと思いきや木の間から見える星空も綺麗でテントの中からシャッターを切った。




撤収しながら装備を並べてみる。今回は長旅なので珍しく荷物の軽量化を考えてみたつもりだが出発の時点で結果17キロくらいだった。普段20キロを切ることはあまりないので自分としてはこれでも軽量。カメラとレンズ含めると結局20キロはありそうだけど、、まあそれなりに歩けたからよしとしよう。



帰りのバスは余裕を持って14時からの予約にしていたので早めに降りて早い時間のバスに乗れたらいいね、乗れなかったらシャワーでも浴びてまったりしよう、と言うことになり、コースタイム5時間のところ3時間くらいで滑るように下山。結果この旅でいちばんの滝汗かく羽目に。
バス乗り場の椹島に到着して係の人に聞いたら早い時間のバスに乗れることになったので隙間時間で生ビールとソフトクリームを流し込む。


椹島の生ビールは道中の山小屋の缶ビールと同じ700円で、こりゃタダ同然じゃん!と喜んだ。完全に狂っている。
こうして4泊5日の長いようで短いような南アルプスの旅は終わりを迎えた。
今回の山々は行程よりもむしろ小屋の予約や休暇取得など入山するまでの方が核心なので、なかなかチャレンジの難しい山域を一気に歩き通せて良かった。
道中何度か2度とこねえからな!と嘯いたが本当にたぶん2度とこない気がする。(というかこれない)
お付き合いいただいた仲間と最後まで機嫌を損ねることのなかった天気にも感謝。

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k-ta
どのシーンも素敵す! 歩いた猛者だけが獲れる景色を私もいずれ!w -
mausg26(ゆい)
Dayoutの投稿待ってました!静岡県民だからか、初めて登ったアルプスだからなのか、南アルプスが気になります。アクセスが悪い、北アルプスに比べて地味な所も魅力的。私もいずれ!