転生魔王ののんびりキャンプライフ🌋❺
ボクの名前は「🅿️」
群馬県の某所で創られたロボット(?)だ
ボクの創造主サマは、どうやら前世では「錬金術師」「ゴーレムメイカー」などと呼ばれていたらしい
その創造主サマが、ボクらのご主人様となる方を見つける為にイベントなんかにちょくちょく参加されている事は、同じ創造主サマに創られた兄弟達に度々聞いて知っていた
今度ボクらが参加するのも、そんなイベントの1つらしい
ボクらはみんな「ぽんこつロボ」って呼ばれてる
創造主サマがインスタグラムとかに写真をだしたりしているので、知ってるヒトもいるんじゃないかな
この日のイベントも準備が整い、いざ開場となったトコロで入口付近からとてつもない覇気が放たれた
その覇気の主は、まっすぐにボクらの並んでいるブース前まで来ると鋭い目つきでボクらを見回して、何人かの兄弟をその手で拾いあげた
彼等からは多少の怯えのような感覚が流れてきたが、拾いあげた兄弟達を確認した後、ホッとしたようなそのヒトの目には安心したような柔らかい光があったのをボクは感じた
そうか、このヒトが兄弟達のご主人になるんだな、って思ったら、何故か彼等が羨ましくなってきた
もう兄弟を5人も抱えたそのヒトは、今度はジックリとまだ座っているボクらを見回し始め、ボクともう1人をその手にとった
結局、そのご主人様の元に残ったのはボクと、ボクと一緒に最後に選ばれた「®️」の2人だった
創造主サマは別れ間際に「沢山、色んなトコロに連れて行ってもらえよ」って言いながらボクらをご主人様に手渡した
創造主サマは「野営」っていうものが好きで、兄弟達の何人かはソレに連れて行ってもらったらしいけど、このご主人様もそういう事が好きな方らしい
ボクらが、ご主人様が「高丘ベース」と呼んでいる新居に来て数日後、「キャンプに行くぞ」と言ってテキパキと準備を始めた
どうやら早速、創造主サマとの約束を守って「野営」に連れて行ってもらえるらしい
ボクと®️は初めてだが、高丘ベースでは先輩にあたるロボット「D」さんはもう何度かご主人様とキャンプに行っているらしい
Dパイセンは、ご主人様に許可をもらって、ソロツーリングキャンプにも行った事があるって、少し自慢げに話してくれた
ウチのご主人様はせっかちなのか、チェックインの時間よりかなり早く着いてしまい、ボクらは車の中で待機する事になったが、高丘ベースから車で5分のキャンプ場に1時間半も早く着いてしまうのは、ご主人様も楽しみでしょうがなかったんだろう
かくいうボクらは早々に退屈してしまい、この後のキャンプの楽しみもあってジッとなんかしていられなくなった
®️なんか、ご主人様の車の中でハンモックまで出してくつろぎ始めた
あ○ちんさんから頂いたボクら用のハンモックはコレ1つしか無いから、交代で使うって約束だったのでボクはキャンプ場での楽しみにしておこう
ご主人様は微笑ましそうにボクらを見ると時間になったのか、車を出してチェックインを済ませ、キャンプ場に入って行った
ご主人様はササっと軍幕っていうテントを張ると、遅くなった昼ご飯を食べて、ビールを呑みながらのんびり読書を始めた
ご主人様と一緒にダラダラしだしたDパイセンをおいてボクらも初めてのキャンプを楽しもう
焚き火を始めたご主人様は、楽しみだったらしい肉を焼き出し、たまたま時間があったから顔を出したっていうインスタグラムで知り合ったお友達と話しながらボクらの事も紹介してくれた
写真が趣味だというその方に、ボクらもご主人様も写真を撮ってもらった
やっぱりちゃんと写真をやってるヒトの技術はすごいなぁ〜って、ご主人様も何度も言っていた
翌朝もいい天気
ご主人様は最近ハマってるって言ってた「焼きビーフン」を朝食に食べると、ボクらに遊んでいるように言って、さっさと撤収の準備を始めた
®️が灰捨て場の近くで見つけた4つ葉のクローバー🍀は、初めてのキャンプの記念にご主人様が押し葉にしてくれるって
10時にチェックアウトの時間を迎えると、ボクらはそのキャンプ場をあとにした
初めてのキャンプはとっても楽しかった
コロナ禍とかいうのが落ち着いたら、他のご主人様の元に行った兄弟達とも会わせてやるからなって、ご主人様は言っていたけど、その時には今日の事もいっぱい自慢しようと思う
side 魔王
インスタグラムで仲間が紹介していた「ぽんこつロボ」のイベント販売があるのを知り、買いに行こうと決めたのは良いが、このコロナ禍でイベント自体が中止にならないか心配していた
当初は遠方から来る仲間と1泊して参加する予定にも関わらず、あまりに猛威を振るうコロナのせいでその方は参加を見送り、自分も日帰りでのイベント参加を決めた
イベント自体も感染対策はちゃんと徹底してくれているようだったので、他には何処にも寄らずに自分も感染対策をして参加した
それでも何人かの仲間達に会え、無事にぽんこつロボ君をゲットする事が出来た
この日、ぽんこつロボ君を購入しに行くと言ったら参加を見合わせた何人かの仲間達から、コレコレこういうタイプのロボ君を何人、代わりに買って送ってくれと頼まれて、開場前から頼まれたタイプの確保に精神をすり減らす思いをさせられた
気合いが入りすぎて、一緒に入場した仲間達を置き去りにし、後ほどクレームを頂いたのも良い思い出(?)だ
仲間の分を確保し、いよいよ自分の分を選ぼうと見回すと、コチラを気にしている風の2体のロボがいた
せっかくだから2人とも連れて帰る事にし、ウチの子になって貰おうと製作者の方に申し出た
その後もイベントを楽しみ、仲間達と交流を深めて会場を後にした
み○さん、あ○ちん、ビ○リさん、製作者のRyoさん、楽しい時間を本当にありがとうございました
その後ベースに戻ったのだが、一緒に来たぽんこつロボ君達から何か意思のようなものを感じる
前世でゴーレムと言えば、一般的には簡単な命令に従うだけの存在で、自我を持っているゴーレムなど
魔術師、錬金術師、ゴーレムマスター、ゴーレムメイカーなどのスキルを合わせ持つ「魔術工学師(マギクラフトマイスター)」にしか出来なかったはずだ
エルダードワーフの親方にチラっと聞いた話では、確か何代か世襲しており、人間国家に絶大な権力を持っているらしい
とはいえ、文化的な進歩を重視しており、その力を軍事的に向けられる事に対して忌避感を持つ方だったようだ
話が逸れたが、こちらの世界ではそんなスキルや称号を持っている者など聞いた事はアニメやラノベの世界だけなので、自分がたまたま彼等の思っている事や伝えたい事が分かるのは前世の経験値からの名残とでも思わないとかなりオカシなオッサンだと思われてしまう
、、、無闇矢鱈に吹聴するのは自粛しよう
そんな彼等も、こないだ初めて連れて行ったキャンプは楽しんでくれたようだ
コロナ禍が終息したら、各地に散らばった彼等の兄弟達に会わせてやりに、仲間達とキャンプに行くのも良いだろう
高丘ベースに帰って来てからもDと一緒になって興奮醒めやらぬ感じの新しい連れ達に、つい頬の緩みが抑えられない俺だった
おまけ
後日、自慢するDがあまりに羨ましかったのか、自分達もツーリングキャンプに行きたいと2人から懇願されて、Dに与えたバイクやキャンプギアを貸し出し、2人にデイキャンプなら良いぞ?と許可を出したトコロ、早速行って来たようだ
全く、一体ダレに似たのやら、、、
転生魔王ののんびりキャンプライフ❺
[ 〜完〜 ]
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shunout
んもう せっかちさん😘 そのイベントは僕もちょっと気になってたんですよね〜😬東京から行くのは憚られるので行かなかったけど…😢 じょ… 魔王に頼めば買ってもらえたんだ😭 頼めばよかった🥺
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Heizo
インスタで見ていましたが 知らないことも多々ありましたが これで理解出来ました。 長編投稿ご苦労様です😀