転生魔王ののんびりキャンプライフ🌋❸

仕事が少し落ち着くと、やはりソワソワと落ち着かない気分になるのはいつもの感覚だ
たまたま通った近所の文化公園内にあるデイキャンプ場が、コロナの影響での閉鎖から復活しているのを見つけたのも、偶然と呼ぶにはタイミングが良すぎる
受付で話を聞くと、デイキャンプ場でありながら、テントの設営代を払えば宿泊も良くなったとの事で今後の利用にも幅が広がりそうだ
その日は土曜日だった為、翌日の日曜日にとりあえずデイキャンプで利用してみようと思う

聞いたところによるとデイキャンプ場の受付はAM9:00から開始しているとの事で、朝イチから夕方までたっぷりと楽しめそうだ

受付を済ませ、1日を愉しむ為の準備にかかる
テーブルなどは持っても来たのだが、一応500円を払って場所取りがてらに借りる事にする
ソロなのでそれほど使う事は無いのだが、スペースの確保の意味合いもある


早速、衝動買いをしてしまい、この間試し吊したばかりのハンモックを吊り、目隠しがわりのタープをかける





テーブルを借りると使っても良くなる、U字溝の焚き火スペースもせっかくなので使わせてもらい、焚き火も楽しむ
一応焚き火台は持って来たのだが、昼メシ用に持ってきた冷凍カレーウドンを温めるだけに使った


空腹を満たして、最近傾倒しているハンモックに横になれば、心地よい風と揺れが眠気を誘う
デイキャンプ場だけあって、昼前になるとBBQに訪れる何組かのファミリー連れも集まりだした
俺が設営したのは、駐車場から一番近いスペースだった為に、少し離れた小道を搬入に往き来する方々からチラチラ視線も感じた
「ハンモック、良いなぁ」とか、「気持ち良さそうだねぇ」などの会話も聞こえ、僅かに優越感に似た感じも味わった

そんな時、5歳くらいの女の子を連れた20代後半から30歳くらいの女性に声を掛けられた
「ハンモックって難しいですか?」という質問を受け、設営に関してなのか、寝る事に関してなのかわからないまま、しばらく会話を交わす
そして、唐突に彼女は聞いてきたのだ
「、、、失礼ですが、魔王様だった方ですよね?」と、、、
俺がフリーズしていると
「これは失礼しました、私は******、前世で貴方様と面識のあった天使族です。
記憶は取り戻されていらっしゃいますよね?」
、、、思い出した
今の姿に面識はないが、彼女は天空神様に仕えていた天使長らしい
交渉時に何度か顔を合わせていたが、俺の容姿も前世とは違う筈なのに、何故バレたんだろう?
「ああ、それは私が[看破]のスキルを持っているからです。というよりも、私は転生した訳では無く、今はリフレッシュ休暇中なのです。」
、、、リフレッシュ休暇?
確かに神々の天界では、コチラでいうところの大企業的なシステムが構築されてはいたが、そんな制度まであるとは知らなかった
「私達、天使族は神々に仕えてある期間を過ぎると精神状態のリセットの為にコチラの世界での一生を過ごす制度があるんです。
もちろん1人間としてですが、道を踏み外さないように記憶とスキルは持ったままで生まれるのです。
過度にこの世界に干渉しない限りは、特に問題もありません。
ちゃんとコチラでの人生を完結させてから、またアチラの世界で同じ身体に宿り、復帰いたします。
今日はたまたま、懐かしい魔力の残滓を貴方様から感じて、ついお声をお掛けしてしまいましたが、どうかお許しください。」
許すも何も、俺は今は何のスキルも持たないただの一般人だ
ここでの会話も誰かに話したりするつもりはない事を告げると、彼女は安心したように頬を綻ばせて、娘の手を引いてBBQに戻って行った
ああ、ビックリした、、、

懐かしい出会いもあったが、今世には関係の無い事だなと思い、コチラの世界に来ている天使族に遭うなんてそうそうあるまいと思い直した
しかし、アチラの世界からは一体どれくらいの者達がコチラに来ているのか?
考え出すと止まらなくなっている自分がいた。

SIDE ******
ある日、夫の会社の友人達と家族ぐるみでのBBQに誘われて、地元のデイキャンプ場に行く事になった
娘ももう6歳になるが、近い年齢の子供たちも何人かいるので楽しんでくれるだろう
しかし、当日の私は、荷物の搬入時からある事に気をとられ、BBQどころでは無かった
1人でハンモックに揺られながら満足気な様子の方から立ち上る虹色の魔力の残滓は、間違い無く「魔王様」のものだったからだ
コチラの世界にも、実は僅かながら魔力というものは存在する
アチラの世界に比べると微々たる量だが、、、
私達、天使族は実は精神生命体の為に、寿命というものが無い
幽体(アストラルボディ)が本体で、実体(マテリアルボディ)に憑依して存在する
スキルは持っているとは言え、魔素の薄いコチラの世界ではほぼ使えるスキルなど無いに等しい
本来の私は位階でいうと第1位階の「熾天使(セラフ)」にあたり、神々により近い存在だった
その為、天空神様の秘書のような立ち位置であり、魔王様との交渉の席にも出席させて頂いていたのだ
あの頃の、激務に追われて疲弊した様子の魔王様とは別人のように穏やかな空気を纏った彼の方を拝見してつい話し掛けてしまったが、どうやら今世は良い人生を送っておられるようだ
だが、、、
彼の方の魔力に絡みつくように寄り添う白金の魔力、、、
あれは間違い無く「勇者」の魔力の残滓である
創造神様から、少しだけお話しは伺っていたが、そうか、彼女も本懐を遂げつつあると見える
「魔王」と「勇者」、私がただの人間となった二人の事を思い幾分清々しい気分でいると、愛する夫が、バーベキューを頬張りながら先に彼の元に駆けていった娘と二人で笑顔で手招きしているのが見えた
「魔王様」の事は、昔、少しだけお世話になった知り合いの方だったと説明しようと思いながら、私は彼らの所に戻る足を若干早めた。
転生魔王ののんびりキャンプライフ③ [ 完 ]

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novurie(ノヴリエ)
じょうさん急にどした? と思ったら前作がいくつもある! デイアウトしばらくみないうちにテント張らない小説家になられてたんですねw とても面白かったです。なろうに投稿すればランキング上位ねらえるんじゃないですか? -
キングカズマ
じょうちゃん、すっげぇ〜っス❗️ -
キングカズマ
こんな展開になるとは! って思って🤣 ビックリ‼️ -
キングカズマ
それでも、しっかりと物語になってるっすよ❗️ 調べ物が、どうなるかと思っていたので💦 相変わらずですが、おもろいっすっ‼️ -
mako
よく思いつくと感心します😳 でもまた読めるなんて感激😂 定期購読させて下さい🙋🏻♂️ -
shunout
なんか不具合なのかわかんないすけど、なぜかコメントが書けなくて…いま、書いてみたら書き込めたんで書きます。 この間リクエストした 「転生したらじょうだったんだが」は⁉️ -
あっちん
1番❗️🙋♀️(最後w) はたらく魔王様が元になってたんだね😆