吹けよ風、飛べよシュラフ
東京駅八重洲口から高速バス アクシー号に乗って、千葉県君津市へ。天気予報によると、今週末は先週末と同じかそれ以上に相当暖かそうなので、出かける事にした。ハンモックの冬装備で試してみたい事もあるし。
バス停 きみつふるさと物産館で下りる。千葉のしょうゆサイダー、というセンセーショナルなものを発見。飲んでみたら醤油感は無く、ドライなジンジャーエールを薄くした感じで、癖のあるサイダー。
近くのコンビニで買い出し。そこから40分以上歩き。登り坂がだらだら続く。最初の20分はなんて事無かったが、濃溝の滝を過ぎた辺りからツラい。山桜が咲いているのを発見したら、猟師工房ランドに到着。
この店では、ジビエ肉、骨 / 角 / 毛皮で作った工芸品を売っている。店にはソロキャンプ専用のキャンプ場「アダルトソロキャンプ」が併設されている。チェックイン。
ここを訪れるキャンプ客はみんな車とかバイクで来ていて、バス停から歩いてきた客は初めて見た、との事。店の裏側にある売店ではジビエ肉のハンバーガーなどを売ってる。
えっ、キョンの肉? キョンって食えるの?
キョン肉のパテが2枚入った、キョンキョンバーガーを注文。
肉の味はしっかりしているのに、重たくない味。衣をつけて揚げてあるみたいだが、油はギトギトせずあっさり。具材ぎっしりでちょっと食べにくいけど美味しい。
今までキョンを捕獲しても死骸は使い途が無く全部捨てていたが、肉として活用する試みをスタート。個体が小さいので、可食部が少なくて値段も高いが、引き合いも増えてきているらしい。
ジビエの冷凍肉コーナー。肉の部位を考えながら鹿を見た事無いので斬新。今日の在庫は、猪、鹿、キョン、ハクビシン、狸。
キョンのロースとスネ肉を購入。
幼少の頃に読んだ本には、キョンは異常に臆病な動物で、人間に出会っただけでショック死する、と書いてあった。動物園でキョンの檻を見つける度に「なんだキョンいるじゃん」と安心するが、檻の中でキョンを見かけた事が無い。
臆病なのは本当の様で、「キョンは弱くて」罠に捕まったキョンを見に行くと大抵既に死んでいるらしい。弱いってのはメンタルが弱いって意味???
猟師工房ランドは、廃校になった香木原小学校の跡地を活用している。キャンプ場は、小学校の校庭と裏の林。トイレは仮設トイレだが水洗。ソロキャンプ客用の無料シャワー室あり。
スリッパに「香木原小」と買いてあったり、校庭に廃校の記念碑があったりしてちょっと寂しい。
天気予報では、今夜ちょっとだけ雨が降るらしい。それに加えて風が強く、昼間は分速5 - 6 m、19時頃に分速10mくらい行くらしい。こんなん来たらタープぶっ壊れるので、実は今朝電車に乗るまで相当悩んだ。
キャンプ場はフィールドエリア(校庭)とブッシュエリア(裏の林)に分かれているが、ブッシュエリアにまっしぐら。少しでも風の弱まる方へ。一応、強風らしいというので、昨日のうちにタープ用のペグを8本追加購入しておいた。強風対策でガイロープ1本に付きペグを2本使って補強。
先週、ふもとっぱらでキャンプした時、コットに敷いたダウンマット(エアーマットの中にダウンが入っている)の上に直接寝て、寝袋はファスナーを開いて掛け布団代わりに使ってみた。
よく眠れたし寝床への出入りが超絶便利だったので、今回ハンモックでこれにチャレンジ。今晩は暖かそうなので、冬用シュラフ(モンベル #0)ではなくてスリーシーズン用シュラフ(モンベル #3)を。
ブッシュエリアには椿の木があって、ちょうど花が真っ盛り。ここにはキョンが時々やってきて、木から落ちた花を食べているらしい。
お店のご主人が書いた「これからはじめる狩猟入門」。Kindle版は無いのか。著者は東京大学狩人の会名誉顧問。東大って、うどん部とかみかん愛好会とか謎のサークル多いな。
お店の前のバス停からコミュニティバス(定期便デマンドタクシー)が出ているので、帰りはそれで帰ろう、と思ったら土日はやってなかった。
林の中に設営したので余り強風にならないと思い込む事にして『薪はここで売ってますか?』と尋ねると「無料なので、その辺に落ちている木を使ってください」。タープから半径5m以内をうろうろするだけで、結構集まった。
タープの軒先で冷凍肉解凍完了。
キョンのロース肉を、パリッコさん(ミュージシャン / 酒場ライター)の記事にあった酒蒸し法で調理してみる。昨日買ったオピネルのナイフで肉を細かく切って、塩を振って安い日本酒に6割ほど浸して煮る。
キョンバーガーとはまた違った印象で、例えて言えば薄い牛レバー味の砂ずり。スネ肉の方は、酒蒸ししても滅茶苦茶硬い。圧力鍋で煮込むか、それこそミンチにしないと厳しい。
今日は椅子を極力使わず、タープ下の地べたに折り畳みマットを敷いてそのまま座る。椅子無しも悪くないが、もうこのままマットを拡げて横になってしまいたい。地ビールを飲むのも、焚き火をするのも既に面倒臭い。
18:30になってもまだ14度。今日は春一番が吹いたらしい。風が強くなってきたが、タープが吹っ飛ぶほどではない。ただし、ハンモックに敷いたダウンマットとシュラフは飛んで行った。
予報とは違って、雨も結構降ってきた。薪が完全に濡れてしまったが、焚き火もスタート。濡れたままの薪は焚き火の端っこに入れて、乾かしながら燃え始めるのを待つ。
雨が止んだら、空は快晴。校庭のど真ん中からは360度ビューで満天の星が。これはすごい。もっと視力がよければはっきり見えるのに。
天気予報では夜中も明け方も10度前後のはずだったが、実際には早朝に2度まで下がった。なにそれ聞いてない。ダウンマットに直接寝て寝袋をかける作戦は失敗。寝ているうちにマットがずれて、すぐハンモックからはみ出す。
寒いけど撤収。
帰りも40分かけて歩く。バス停そばのラーメン屋さんで、千葉県富津市名物の竹岡ラーメンを食べて帰る。
スープは醤油色。焼豚をじっくり煮込んだ濃い醤油だれを薄めただけで、なんと出汁を取っていない。スープは麺に絡めて食べる分にはとても美味いが、スープ単体だと塩辛過ぎる。普段ラーメンは食べないけど、美味かったのでまた食べに来たい。
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