切り抜きたい瞬間たち

たとえば 月明かりと雲海

さらなる上にも
雲の層が

まるで
くものパンで挟まれた
サンドイッチみたい

気分は
魔法のじゅうたんで空飛ぶ
アラジンとジャスミンかな

だって
上を見上げれば
たくさんの星たちもすぐそこに

たとえば 今夜のおうち

とことんコンパクトに
必要最低限

真っ暗やみでも
明かりは
小さいジェントスと
キャンドルランタンのみ

それでも ほら
こんなに 明るくて温かい

朝を迎えれば 霧の中

いや 雲の中かも

夜と昼間で
こんなにも 表情が変わる

緑の濃淡と
もわもわスモークな演出が
よりいっそう
とんがりカフラさんを
引き立ててくれてる気がする

たとえば
見渡すかぎり 雲の中

そんな白の世界の
その先に
どんな世界がひろがってるのだろう

空気が気持ちいいから

ここで小腹を満たすことにした

頼れる相棒の SVEA123で
お湯を沸かす

と思ったら

ぐんぐん 雲たちがお引っ越し

おやおや

できあがった
きつねうどんのいい薫りと共に

かくされていた
知らない世界の全貌が
明かされていくもんだから

おちおち食べてはいられない

隠されていたその先に
広がっていたのは

いくつもの山々からなる
壮大な風景

すぐに雲たちに包まれてしまうけど
すこーしずつ
雲の粒が 流されて

空の表情がみるみる変わっていく

声高らかに
唄うのが気持ちいい

そこはきっと

“アルムの丘”