白峰三山 SOLO HIKE
広河原から北岳、間ノ岳、濃鳥岳の白峰三山、大門沢小屋経由の奈良田温泉までの26km、累積標高差2853mのトレイルを2泊3日で縦走ハイクしてきました。
新宿発の高速バスにのり、湧暇李の里 樹園で4時間ほど仮眠し、早朝4:40のバスで広河原の登山口に着いたのは6:37。
三連休初日、老若男女たくさんのハイカーで賑わっている。
雨がぱらつく中、トレッキングをスタート。白峰御池を経由し、標高3000mの北岳肩の小屋を目指す。
たくさんのハイカーで序盤の登山道は遠足モードだったけれど、次第に急登になり間隔は徐々にまばらに。
8:36白峰御池小屋に到着。
アルプスの水が汲み放題。700mlのボトルを満タンにして出発した。
御池の湖畔サイトも雰囲気がある。
雨が少し強まってきた。
ここから草すべりという名の一気に800m標高を上げる急登へ。
緑と雪渓のコントラストが美しい。
山頂は霧で見えない。
30Lのバックパックにテント泊2泊3日分の食料とギアを詰め込んできた。ベースウェイト4kg前後、パックウェイトで約7kg。
今回のトレイルではULハイカー(40L以下のUL系バックパック)は全体の1割にも満たない感じ。
急登を登り続けること1時間で草すべりを通過。
ガスで何も見えない。
稜線に出た途端に暴風に見舞われる。
立ってられないほどの風に煽られ、アルプス最高峰の洗礼を受ける。後で聞いたら風速15mほどだったらしい。
風は止む気配なく、よろめき転ぶハイカーも。早く小屋につきたい一心で慎重に歩みを進めた。
肩の小屋まではもう少し。
10:20、肩の小屋に無事到着。
眺望を期待して登ってきたけれど、この天気だと看板通りに『北岳に、来ただけ』だ。
受付を済ませてテントを張る。予約不要のテントサイトは、風の避けられるAサイトの平地から埋まっていく。早めに着いたので、なんとか平場に張ることができた。
標高は3000m。気温は12℃。風が強いので稜線では手が霜焼けになる程寒かった。
今回もFreelightのMトレイル。ペグは上手く刺さってくれないところも多く、石で固定。
フロアレスシェルターは僕だけかな。。
続々とテントが張られていく。早く着いて良かった。
このあとは、眺望もないし北岳に登るのは諦めて、テント場でのんびり過ごそう。
急登で頑張った体を癒すZENNUTRITIONのダルマを補給する。
燃焼効率をアップしてくれる行動前に飲むトラと、行動直後の体の疲労回復を促すダルマ。
自然派サプリとあるが効果のほどはいかに。
気圧の変化でパンパンになったフリーズドライのカレーであったまる。
テント内はこんな感じで、フロアレスだから地面剥き出し。SOLのビビィの中にエアマットとダウンキルトを入れてふかふか。
バックパックやサコッシュはトレッキングポールのベルトに吊るして雨対策。
小物や食料は防水性能のあるZpscksのDCF製フードバッグにまとめて手の届くところに置き、ねころびながら全てに手が届くものぐさスタイル。
テント場は傾斜にも張るほどの混み具合に。
LOCUS GEARやSIX MOON DESIGNSのULシェルターもあって、少し安心した。
時間もあるので、テント場を下った先にあるという水場を散策することに。往復30分。ちなみに小屋では2リットル200円で水を売っているけれど、水場に汲みにいくのは無料。
ガスで先が見えなくて水場があるのか不安になる。
お花畑は綺麗な花が咲き誇っていた。景色はないけど、たのしい。
無事水場を発見。
帰りは登りで辛い。
テント場はもうギチギチになっている。
そして暴風の吹き荒れる稜線サイトにも多数のテントが並び、風に耐えていた。まだまだ増えそう。
シェルターに戻りお湯を沸かしてポタージュと五目ごはんで温まる。
苦労して汲んだアルプスの水で水割り。
眺望のないテント場を肴に、時間を過ごした。
7時には就寝。星も見えない。
明日の天気に期待していたが、翌朝も濃霧の朝を迎えた。
5:53 パッキングし霧深い北岳山頂を目指す。
案の定、北岳に来ただけ状態。6:22
残念だけど、間ノ岳までに晴れることを願う。
稜線は暴風が相変わらず吹いている。岩場も滑りやすく、慎重に進む。
標高3000mの天空の稜線と呼ばれているそうだけれど少し先も見えない。
7:37 北岳山荘に到着。風強い。
時折太陽が明るくなったりして、肩の小屋に戻ってもう一泊泊まるかとも悩んだけれど、時折電波が入る天気予報で明日は曇り時々雨とあり、先に進む決断をした。
自由気ままなソロハイク。相談相手もいないので全てを決めるのは自分自身なんだよね。
8:24 中白峰山。何も見えない。風強い。
間ノ岳まできたあたりで風が止んだ。9:15
山頂でコーヒーと行動食を食べることに。
天気は悔やまれるが仕方ない。
こんなに強い風のなかハイクしたのは初めて。
山と道のオールウェザーのレインウェアはウィンドブレーカーとしても優秀な性能を発揮してくれた。
濃鳥岳を目指そう。
濃鳥小屋までの稜線で、少し霧が晴れてきた。
農鳥小屋が見えるが標高の高いところは依然と雲に覆われている。
10:37 濃鳥小屋に到着。時折風は強くなるものの、景色を見ながら歩けて、気持ちよかった。
小屋のご主人は不在でテント場と避難小屋は開放されているものの、水場は閉鎖されていて、残り少ない水で大門沢まで持ち堪えなければならなくなった。
11:44 西濃鳥岳。やはり3000mを境に雲がかかっている模様。
西濃鳥岳から濃鳥岳までは険しい岩場。
時折吹く突風に気を配りながら慎重に。
岩場を抜けると、歩きやすい稜線へ🚶。
美しい山肌を眺めながら楽しめた。あと天気が3時間早ければ、北岳もさぞ絶景だったかもしれない。
12:26 濃鳥岳登頂。
濃鳥岳を越えると青空が見えてきた。
近くの登山客からも、ここで?と、残念そうな声が漏れる。今日縦走をしてきたハイカーはみんな、同じ気持ちだろうなぁ。
広河内岳へのトレイルとの分岐点。最後に楽しめた束の間の稜線歩きはここまで。
ここから樹林帯を急降し、大門沢小屋へいくのだが、急登以上に辛い下山の道となった。
段差の高い岩場の下りに、赤土で滑りやすい斜面、トレイルが途切れている箇所は、滑り落ちるように降りなければならなかった。トレイルじゃなくて滑り台に近かったところも多数。
何度か滑り尻餅をつき、カーボン製のトレッキングポールが一本無惨にも折れてしまった。
後半は膝に踏ん張りが効かなくなり、ペースも落ちてくる。1400mほど一気に降るのだから、相当な負担だったと思う。もう通りたくないと思うほどの長い長いトレイルだった。
大門沢小屋に着いたのは15:00過ぎ。
受付をして、設営よりキンキンに冷えたビールを待ちきれなかった。染み渡るー。
ポッキリと折れたトレッキングポール。テントはなんとか設営できた。
汗をかいた短パンを干して夕食にしたのだが、体が疲れて食欲も今ひとつ。
ワインと高カロリーのグミを食べて済ませた。
夕焼けに染まる富士が美しい。
北岳から見たかったなぁ。そんな会話を一期一会のテント泊の方々と話しながら夜も更けていった。
翌朝は4:00前に起床し、5:00に出発、奈良田温泉まではコースタイム4時間ほど。
朝焼けの富士も美しい
沢沿いを下るが、昨日蓄積された足のダメージで思ったように進まない。
朝日が差し込む。標高も下がり気温が上がってくる。
涼しいうちに進みたい。後半は、朝飲んだトラのサプリが効いてきたのか元気が出てきた。
900mほど標高を下げるので急降箇所も多い。
ダムの吊り橋を渡ればほぼ山のトレイルは終わり。
7:59ゴールの奈良田温泉に到着。
9:00の開店を他のハイカーと山行を振り返りながら待った。
美人の湯と呼ばれる奈良田温泉の泉質はトロトロで美容液のよう。
汗を流してサッパリ。
梅雨明けのような夏本番を感じる天気。
都心は37.5℃の予報。
温泉を後に、白峰三山のハイクを締め括った。
三連休最終日、特急あずさは満席らしい。
奈良田温泉からバスで身延駅へ。身延から特急で富士駅〜三島駅。三島から新幹線に乗り東京へ。
本日の北岳は晴天のようで、北岳山荘で折り返し肩の小屋にもう一泊していれば…と何度も悔やまれたけれど、暴風の稜線歩きもそれはそれでいい経験に。天空の稜線歩きの眺望はまたリベンジしたい。
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nontan
お疲れ様です! ソロ登山の自撮りってどうやって撮影されているんですか??
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mk
自由気ままって簡単そうで難しそうですね 今年ロングトレイル(といっても1泊2日位)に挑戦しようと思ってるので、勉強になります!
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fu.u
素晴らしい山の景色になんだか行った気になる投稿がグッときます✨ 自撮り良いですね!